Ver 1.00
「Nagale’s時事批評 リニュ−アル版」
Vol.1
『最近のメイドゲ−ム流行とNagaleの心情について』
どうも、Nagaleです。はじめましての方、はじめまして。え〜約1年ぶりの時事批評の新作ですが……この時事批評
シリ−ズもホ−ムペ−ジ完成記念ということで、思い切ってリニュ−アルすることになりました。
いかんせん、過去の時事批評のネタがあまりにも古いことと(DC発表後の見解なんて誰も見たくないでしょう?(苦笑))、
今までのレビュ−を作りなおして掲載する時間が無かったため、このような形を取らせていただきました。
ただ、万が一でもリクエストがあれば過去の時事批評も機会を見て復刻しますが……
今回は多少毛色が変わったタイトルでお届けします。本来、個人的な件については時事批評の番外編で語っていたのです
が、今回はこっち(正式版)の方で書かせて貰うことにしました。色々と思うこともあり、久しぶりに暴走しつつ(笑)
語っていこうと思っています。
では、どうぞご覧下さい。
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???>可愛いメイドさんは好きですか?>Nagale
Nagale>『当たり前だよん(笑)』
「Maid=メイド」 この言葉に惹かれる人は多い。まるで言葉に魔力でもあるかのように……。
●− その1 メイドさんの魅力 −●
さて、いきなりでなんだが、Nagaleはメイドさんが好きだ。属性としても入れているぐらいだから
相当なものであることは言うまでもない。
では、どんなところが好きなのか? 色々と語っていく前に本邦初公開の「Nagaleがメイドさんを好きな理由」
について書いていくことにしよう。
まずは一番のポイント「雰囲気」である。
主人に対しての絶対服従。常に命令を守り(ゲ−ムによっては敵と戦ったり問答無用で襲ってくるのも
いるけど)、堅実に動く。正に男にとっての理想(笑)。……この辺は至って普通の理由だろう。
次に……「未知なるものに対する憧れ」である。
もともとメイドは日本には存在しないものである(女中というものはいたが)。
また、パソコン業界に限らず、日本のゲ−ム業界においては「純」日本的ゲ−ムというのが少ない。事実何かしら
西洋文化等の影響を受けているゲ−ムが多い。
実際、メイドという職業はゲ−ム中で展開されているものとはかけ離れた職業だ。だが、海外で実際のメイドを見たこと
がある人は果たしてどれだけいるだろうか? 見たことのない人がほとんどの筈である。
だから、憧れる。それが偽りの形であるとわかっていてもだ。そう、現実を知らないわたしたちにとってメイドさんとは
夢を与えてくれる職業なのだ(えらいこじつけやなあ)。
最後に、当たり前の話だが「服装」である。これは雰囲気との兼ね合わせもあるが。清潔感のある清楚で独特な
服装、それでいて可愛くエッチっぽい。非常にいい感じである(苦笑)。もう、とりあえず後ろから
襲ってくれと言わんばかりに(以下略)。……というわけである(苦笑)。
●− その2 ここに至るまでの経緯とは? −●
現在、パソコン業界(Adult)を筆頭として、メイドという職種のキャラクタ−は様々な形で見ることが出来る。
漫画、小説、TV……実に至れり尽くせりである。
しかし、パソコン業界でメイドゲ−という言葉が普及してきたのはつい最近のことである。メイドというキャラを前面に
押し出したゲ−ムはDOSゲ−ム(ああ、既に過去の遺物……)時代にもいくつかあったが、ブ−ムになるまでには
至らなかった。
では、一体いつからメイドゲ−というジャンルが成立するようになったのだろうか……?
そもそも、この状態に至るまでに起爆剤となったひとつのソフトとキャラクタ−がいた。それは間違いなく「To Heart」
というゲ−ムの中に登場する「マルチ(HMX−12)」というキャラクタ−だ。詳しい経緯は省くが、様々な課程を
得て彼女に転んだ(ハマった)人は多いはずである。
……これはあくまでNagaleの意見だが、ゲ−ムを知っている人であれば、大多数の方が納得すると思われる。
/ 注)念のため記述するが、Nagaleがメイド好きになった原因は多分「殻の中
の小鳥」というソフトの影響であり、決してマルチではない。 /
事実、その後のパソコン業界にはマルチを模倣したであろうゲ−ムやキャラが多数あふれることとなった。いわゆる
メイド型アンドロイドの育成ゲ−ムや命令忠実なメイドというキャラの位置づけである。
もちろん、これはこれで業界の活性化(メ−カ−の利益)に一役買ったことは事実であり、Nagaleも事態に首を捻りつつ
もある種の妥協をしてはいたのだが……。
●− その3 計算外の事態? −●
そんななか、Nagaleの妥協とは裏腹に業界が思わぬ方向に流れていくこととなった。
そう、「メイドゲ−」=「売れる」という理不尽な法則が生まれてしまったのだ。
……事実、メイドゲ−ムは売れた。更に、これらの「売れた」ゲ−ムは、ある程度の実力を持ったメ−カ−ではなく、
少なからず新規ソフトハウスが制作していたというところもなかなか面白い話である。まあ、何故ここまで売れたか
どうかは分からないが、矢張りマルチ萌えした方々が裏で動いていた可能性は無いとは言えないだろう。
もっともこの原因に関してはメイドというキャラの扱い易さがブ−ムに拍車を掛けたとも考えられる。
わたしたち(個人的かも(笑))が持っているメイドさんのイメ−ジ……主人の命令に従い、誠心誠意働くという立場が、
エロゲ−のシチュエ−ションとして非常に自然体であった為、キャラ特性を生かすことが
できたとも考えられるし(だからメイドが好きなんですという人もいる)、事実Nagaleはそうであると思ている。
「キャラを生かす=キャラ萌え」させることが出来れば、ゲ−ムの質も必然的に上がり売り上げも増加することは確か
である(というかマニア受けする)。
実際は、もう少し複雑な内情や個々人の趣味があるだろうが、これらいくつかの原因が重なり、メイドゲ−というのは
一躍ブ−ムになっていってしまったと言えるだろう。
●− その4 違和感 −●
ところが、こうしたメイドゲ−が溢れているなか、メイド好きなNagaleの食指を動かすようなソフトがどういう
訳か現れなかったのである。
それは何故だろうか……とりあえず原因はいくつかあるが、まずはメイドから伝わってくる雰囲気が無い。
とりあえずメイドを描けば売れると考えているメ−カ−があるのはどうかはしらないが、本当に適当なメイドが多い。
まあ、これはあくまで個人的なこだわりであり、大多数の人には全く関係のない話ではあるが、世の中にはこういう
理不尽なこだわりを持った輩もいるということも理解して頂きたい(苦笑)。
さて、何処が適当かというと……メイドというキャラ自体が浮いているのだ。
……ちょっと冗談半分で極端なお遊びをしてみよう。例えば、Nagaleが好きなキャラを例に考えてみる。
とりあえず「To Heart」から委員長を連れて来て……
まず、Nagaleの属性である委員長(保科智子)にメイド服を着せてみる。これでメイド服を着た委員長が出来あがる。
この夢のような融合(笑)、Nagaleは好きかというと……あまり好きではない。
理由は簡単、彼女は「保科智子」という女子高生で気が強く、後半のたたみかけるような展開がなんとも味のある
キャラクタ−(色々と書きすぎ(苦笑))であって「メイド」というキャラクタ−ではない(メイドという設定自体が
概念にない)からだ。これは当たり前の話である。
ところが、最近のゲ−ムはこの壁を越えてキャラを作っているような気がしてならない。要は委員長がメイドにして
しまうような状態に無理矢理キャラを作っているのだ。これではNagaleがメイドさんに求める「雰囲気」は
出てこない。
事実、現状のメイドゲ−ムの多くは服を替えても違和感がないキャラが成立してしまい「これじゃ着せ替え人形じゃん」
と思うこともしばしばだ。とりあえずメイド服さえ着せておけばいいか。というキャラがあまりにも多すぎである。せめて
メイドらしく見える(又はメイドらしく魅せてくれる)メイドさんをつくって欲しいというのはある意味贅沢な話なの
だろうか。
実力派の原画人やシナリオライタ−は、そのキャラに会わせて絵を描いたり性格付けをする。だからキャラがスト−リ−
の中で「生きてくる」のだ。今の殆どのメイドゲ−ムにはそれが無い。
Nagaleが「殻の中の小鳥」&「雛鳥の囀」以外のメイドゲ−に殆ど手を出さない理由が正にこれである。
もちろんこれはNagale個人がもっている先入観(偏見?)である。
しかし、この先入観こそが今現在Nagaleが感じている違和感の正体でもあるのだ。
そして、これはあまり表には出てこないが……原画人の得手不得手というのもある。実はNagaleにはメイド描きの神様
とも言える原画人が存在する。良かれ悪かれ、Nagaleはこの方に絶大なる影響を受けた。彼の描くメイドは完璧とも
言える雰囲気を持っていた。
その影響が大きく、現状はよっぽどのキャラでなければキャラ自体に魅力を感じることが無くなってしまった。
と、まあこれはこれでいい(←本当か?)。
何を言いたいかというと、彼は本当にメイドさんを書くのが上手いということだ。
しかし、世の中には様々なタイプの原画人がいる。いちいち分けているときりがないのでやめておくが、人それぞれの
個性や書き方がある(逆に、ある程度の独自性が無いとこの業界では生き残れない)。
で、話を戻そう。そしてこの中にはメイドさんというキャラを作れない(書けない、書くのが苦手、メイド自体好きじゃ
ない……等)人も多い。もし、こういう人がメイドゲ−ム(又はメイドキャラ)の原画を任された場合……。
勿論、プロである以上ノルマはこなさなくてはならない。彼等はプロとしてメイドを書く。
……本当のプロは問答無用で与えられた仕事をしっかりとこなし完璧な原画を仕上げることが出来る。こういう人達は
問題はない。書くための努力をするからだ。
しかし、それ以外……悪く言えば普通の原画人……本来メイド向けの絵柄or作風ではない人がいくら形だけのメイドを
書いても、メイドさん好きな人が書いた落書き一枚よりも雰囲気が劣ってしまうのだ。
これはメイドというキャラとその特徴が解っている人とそうでない人の差が確実に出てくるからだ(これは書くための
資料をどれだけ集めてそれを生かしたかにもよる)。
Nagaleが見たいのは「オリジナル」であって「コピ−」ではない。メイドというキャラを真似てメイドを作るのでは
なく、しっかりと存在感のあるメイドを書いて欲しいのだ。
もっともそれ以前に、全然メイドと関係ないゲ−ムにもメイドが出てくるのだけは微妙に納得がいかない。メイドと
いえば最低限屋敷とご主人様だろう(こういうのが偏見なんだろうなあ)。いや、100歩譲って
それを抜きにしてもだ、ラテンな系キャラにメイド服を着せるのだけはなんとかならんか? どう考えても合わないんだが。
●− その5 理想のメイド −●
さて、散々ここまでこだわりを語ってきたわけだが「じゃあ、あんたの理想のメイドっているの
かいな?」というツッコミを入れたくなった人もいるだろう(?)。
結論から言えば、もちろんいる。ただし、それはちょっと特異なものだ。
どういうことかというと、キャラ自体は勿論のこと、その設定や背景、世界観全てを含めて好きになるのである。
つまりキャラのみを好きになるのではなく、その内外全てを含んで好きだということだ。
ここで理想のメイドがいるゲ−ムということで「殻の中の小鳥」と「雛鳥の囀」を挙げておく。
このゲ−ムの中で出てくる全てのメイドこそが、Nagaleが考えている理想のメイドなのだ。勿論、厳密に言えば
誰が好きというのはあるが(小鳥:レン 雛鳥:スミス)、それは本当にちょっとした理由からである。
しかし……それ以外は……実は気に入った性格や雰囲気を持つメイドさんがパソゲ−には少ない。漫画(エロ含む)では
面白い設定や気に入ったキャラを良く見かけるのだが、どういう訳かパソゲ−では上記以外のキャラはなかなか頭に
浮かんでこないのだ(いや、なんてこたあない、ただ色々なゲ−ムをプレイしてないからなんだけどさ)。
とりあえず言えることは、「殻の中の小鳥&雛鳥の囀」があまりにも凄すぎたと
いうことである。人を選ぶゲ−ムではあるが、メイド好きであるならば一度はやってみるべきゲ−ムであろう。もしか
したらNagaleが言いたいことが理解できるかもしれない。
とにかく、キャラや世界観については申し分のない内容のゲ−ムである。……但し、DOS版での話だが。
最後に −メイドブ−ムの終焉は来るか?−
さて、言いたい放題散々言わせて貰ったこのコラム(?)もそろそろ終わりに近づいてきた。
昨今のパソコン業界は、良くも悪くも安定期に入ってしまった。一定数のゲ−ムが売れ、特定のメ−カ−が出せば
それなりの需要と供給がある。
メイドゲ−も同じだ。好きな人がいれば買う。そして、その好きな人がいる限り、タ−ゲットを狙いメ−カ−はゲ−ムを
作り、売る。
……実は、これが今パソコン業界が抱えている悪循環のひとつでもある。
ふつうの業界では、良かれ悪かれ同じような内容のゲ−ムが多発すると、ユ−ザ−が選り好みをしてしまい市場
(というかそのジャンル自体)が飽和状態になり需要が下がるのだが、このパソコン業界、最近は買い控えが出てくる
ようになったとはいえ、趣味の合うソフトは全て買うというような強者が未だに多数いるため、なかなかどうしてそれなり
の販売数は稼げるのだ。
確かにNagaleみたいなのがいるかぎり、メイドゲ−は不滅なのだが(笑)メイドゲ−の終焉……
というよりも、特定ジャンルは一定数の売り上げが取れるものだと考えているメ−カ−が残っている限り、パソゲ−業界
は閉鎖的な安定期を保ち続けるのだろうと考える今日この頃である。もっともこれはメイドゲ−に限ったことではない話だが。
というわけで、昨今のメイドゲ−ブ−ム、まだまだ終わりが見えてこないだろうというのが、現状のNagaleの見解で
あるということで、今回の話を締めさせてもらおう。
1999/11/09 流 雷氷【委員長】
Post,Script,
我ながらなに訳のわからんこと書いてるんだか……(^^;
参考文献
メイドさんまにあっくす (E−LOGiN 99年9月号付録)
殻の中の小鳥&雛鳥の囀 (STUDiO B−ROOM /ゲ−ム)
まほろまてぃっく (中山文十朗&ぢたま某 /コミック)
(順不同、敬称略)