Ver 1.00a


2000年、〜Best of music〜


〜for Adult Game〜







 どうも、Nagaleです。一年ぶりな人はお久しぶりです。

 さて、エロゲー音楽に関して、妙にこだわりを持っていることで全く定評がない私ですが(苦笑)、こういった

テキストを公開することによって、エロゲーにおける音楽の良さと重要性を少しでも理解して貰えたら……というコン

セプトの元、毎年お送りしているこの企画も、最近は随分一般化してしまいました。これは「Kanon」を代表とする

音楽をひとつのジャンルとして成立させたゲームの功績や、I'veサウンドをはじめとする、音楽のブランド化による

一般嗜好への訴えが成功したことが挙げられると思います。

 まあ、現状のブランド主義的な展開には、いささか疑問に思うところもありますが、音楽という要素がここ数年で

飛躍的成長を遂げたというのは、個人的には非常に嬉しいことであると思っています。


 さて、話を本題に戻しましょう。まず、このコーナーの趣旨を簡単に説明すると「私が今年やったエロゲーの中で、

気に入った曲の中から今年NO,1の音楽を決めちゃえ」
……というものです。もっとも、完全に個人的趣味で書いて

いるので、興味のない人は以下の内容は 読まなくても全然問題ないですが(笑)。

 本テキストは音楽関係に興味のある&なんとなく気になる人だけ閲覧下さい(^^)



 さて、発表前に簡単な注意事項です。この発表は音源別の区別はなく、純粋な音楽的観点状況的観点(場面に

合った曲なのか?)ということを念頭に置いて進めていこうと思っています。なお、評価対象はあくまでゲーム中に鳴る

曲を評価していきたいと思います。サウンド集が市販&付属されている場合の「アレンジ」などは審査対象から

除外
させて いただきます。このあたり、ご理解ご了承下さい。

 更に例外として、今年リメイク発売されたゲーム(例:「真・瑠璃色の雪」)などは、過去のBGMのリメイクと言う

ことで、選考からは除外
しています。これは、過去の発表と重なる恐れがあるための配慮です。


 また、各ソフトにおいて『★』のついているタイトルは、そのゲームで一番気に入った音楽です。ひとつのゲーム内で

複数の立候補がある場合、この「★」が付いている曲が該当する曲として、選出選考されます。

 そして、その中から最終的に今年の最優秀曲を決めることになります。



 さて、先ずは今年の傾向ですが……正直な話、随分とレヴェルの格差が出てきたかなあ、と……。

 曲自体のレヴェルが高くなっている反面、良い曲(印象に残る曲)とそうでない曲との差が随分明確にわかるように

なって来ているような気がしてなりません。

 事実、今年は昨年と比べて、個人的に随分多くのゲームをプレイしたにもかかわらず、ノミネートされたゲーム数は

昨年とほぼ同等かそれ以下。ゲームのプレイ数から比較すれば大幅減な結果になってしまいました。

 ただ、そんな中で選考されたゲームに関しては、ひとつのゲームの中で複数の曲がノミネートすることが多く、

代表選考に頭を悩ませる状況に追い込まれたことも事実。そう考えると、矢張りゲームごとのレヴェルの差……

作曲者の実力というものが少しづつ表面化、差分化してきたかな、という印象を持ちました。

 とはいえ、選ばれた曲に関しては、その実力相応。レヴェルは非常に高かったと言えるでしょう。


 さて、それでは論より証拠。そろそろ行ってみましょうか(^^)

 あ、その前に補足(笑)。曲が良くても、タイトルの付いてない曲に関しては問答無用で除外しています。はい。


 注)これはあくまでも「私的」です。ご理解の程、よろしくお願いします(__)







〜 Best of music 2000 〜





−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−




 はい、まず先陣を切るのはこちら。本来はアクセサリ系のソフトですが、この部門は、新作であれば、特に規制が

無いため、本作もノミネートされています。というわけで「猪名川で行こう!!」からです。

 まあ、アクセサリソフトにしておくには勿体ない内容なのですが……しかし、相も変わらずLeafサウンドの安定は

健在ですね。……では、早速選考曲の発表です。



★「The First Contact」



 以上1曲が選ばれました(^^)

 「The First〜」、ナイトライターで使用されていた曲ですね。テクノ系(?)な感じが非常に良かったです。

 テンポやノリも良く、非常に秀逸でした。いや〜、それにしても雀鬼キャラは良いですねえ〜。



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−




 はい、続いては定番かつ大御所、またまたLeafさんのソフト「まじかる☆アンティーク」からです。

 レヴェルの高さは言うまでもありませんね。まあ、それでも以前ほどの勢いが無くなってきたのは事実ですが……。

 この業界、例外なく、安定こそが優秀という訳ではないと思うんですけどねえ……では、選考曲の発表です。



 「Pretty Daisy」

 「君のRiddle」

 「ただ今仕事中!」

 「ドタんバタん」

 「雨上がり」

★「君がいない部屋」

★「夢の終わり」



 以上7曲が選ばれました(^^)  一押しは上記2曲です。

 え〜、本来であれば1ゲームにつき1曲の選考ですが、この2曲に関しては甲乙を付けることが難しかったので、

例外として選ばせていただきました。こういう「せつな系」の曲調、好きなんですよ(^^;;


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



 続いてのソフト&音楽はライアーソフトさん「行殺(はぁと)新選組」です。

 ……やられましたよ(苦笑)。こういう作風を持った人がこの業界に来てくれたということに……。

 インパクト、そして個人的なお気に入りと言う面では間違いなく今年一番でした。

 それでは選考曲の発表です。



 「雛菊」

★「おねーさまはクールビューティー」

 「Pop'nロータリー娘」

 「Sunflower beats」

 「カモちゃん's Boogie!!」

 「近藤クリスタル」

 「Afternoon Bleeze」

 「こんな静かな夜には」

 「我今こそ歴史の流れを変えん」

 「お約束祇園恋しぐれ」

 「こんな静かな夜には(Synphonic version)」

 「硝煙と弾痕−散りし花に捧ぐ鎮魂曲−」




 以上12曲が選ばれました(^^) ……結構多いですね(笑)。

一押し曲は「おねーさまはクールビューティー」……あの三味線に乗せたラテンダンス系のノリは見事としか

いいようがありません。

 勿論、それ以外の全ての曲も、甲乙付けがたいほどの曲でした。和風系の曲が弱いこともあってか、すっかり

ハマってしまいましたよ、ええ(^^;;


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



 さて、この調子で行きましょう。続いてはアザーワイズさん「Sense off」です。これもなかなか

奥深いゲームでした。

 ……ところで、実は本作の音楽担当、さり気なく多種ブランドのいいところ詰め合わせ(Ecnemuse、Unison Sound

Team、I've、折戸伸治{敬称略}) なんですよね(^^;; 知っている人にとっては凄い組み合わせです……。

 それでは、ノミネート曲の発表です。



 「再会」

★「リズミック・ライフ」

 「コズミック・ラン」

 「個人的なスクリーン」

 「ピアノフォルテ」




 以上5曲が選ばれました。……実際は他の曲も凄く良かったのですが……。

 一押しは「リズミック・ライフ」……その名の通り(?)、リズム感が秀逸でした。も〜、いいですね(笑)。

 まさに、ゲームの世界観と見事に融合した曲と言えるでしょう。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



 ……次はねこねこソフトさん「銀色」からの選出です。 しかし、このゲームは辛かった(苦笑)。

 近年希に見る救いようのない展開&今年一番胃が痛くなったゲームです(笑)。もう二度とプレイしたくないです(笑)。

 でも、演出におけるシナリオ&曲は良かったんですよね、これ(^^;; それでは曲の発表です。



★「つかぬまのアンチ・テーゼ(S&L)」

 「先人はかく語りき(Ver,1、2)」

 「夕化粧」

 「小さな花」

 「夕日にかさなる影」

 「こころのゆくさき(orgel)」



 以上6+2曲が選ばれました。ん〜、バージョンの違いに関しては選考が難しい……。

 お気に入りは「つかぬまのアンチ・テーゼ」……ストリングスの音色、見事としか言いようがありません。哀愁系の

音楽としても見事で、名曲と言えるでしょう。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 さて、続いては……来ました今年の大本命。KEYさん「AIR」です。

 相も変わらず評価が高い折戸さん。そして、本作も期待を裏切ることなく、やはり凄かったです。

 それではノミネート曲の発表です。



 「夢語り」

 「虹」

★「夏影」

 「てんとう虫」

 「水たまり」

 「夜想」

 「縁」

 「理」

 「此処」

 「銀色」

 「羽根」



 以上11曲が選ばれました。……しかし、シンプルなタイトルばかりですなあ(苦笑)。

 一押しは「夏影」。……いや、この曲に関しては適当な言葉が思いつきません。凄いです。

 どの曲も名曲と呼ぶにふさわしい曲でしたが、この曲は群を抜いてましたね。はい。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 はい、次はGutsさん「Cherry Works」です。

 ……え? こんなソフトをPLAYしてたっけ? と思った方は通ですね(笑)

 世の中には大人の事情が色々とあったんです、はい(苦笑)。……それではノミネート曲の発表です。



★「Stylish Girl」




 以上1曲が選ばれました(^^) 全体的にシンプルながらも、曲は結構良かったんですよね、本作は。

 イチ押し(といっても一曲しかありませんが(笑))は「Stylish Girl」……キャライメージに上手く合った曲でした。

 もう少し音色の豊かさが欲しかった感もありますが、シンプルだからこそ良い場合もありますし、妥当と言えるでしょう。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



 さて、そろそろ終盤……次はまたまたライアーソフトさんから、「ぶるまー2000」です。

 作曲者は前述「行殺」と同じ方、「九十九百太郎」さんです。……私も行殺以降で知ったのですが、実は一部筋では

かなり有名なお方だったんですね、はい。 ……それでは曲の発表です。



 「CAT STREET」

 「SLAP STICK STOP」

 「NOTHING」

 「PARCHED LIPS」

 「COUNT DOWN」

★「BLOOMERS 2000」

 「COMING SOON」




 以上7曲が選ばれました(^^)

 一押しは「BLOOMERS 2000」……エレキギター系の音色にシビれました。鳥肌ものですよ、ホント。


 ……ちょっと私事になりますが、昨年(2000年)は色々とありがとうございました。掲示板への書き込みは驚くと共に、

物書き屋として、本当に励みになりました。 「長崎繁」さん「九十九百太郎」さん、そして「雑音工房・NOISE」さん

には、この場を借りて、改めてお礼を言わせて頂きます。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



 はい、そろそろ終盤……というか、ラストかな? シーズウェアさん「Parallel Harmony」からです。

 ……このソフトもいろいろな意味で計算外かつ、非常に驚きました。特にテンポの良い音楽は結構驚きましたね。

 上手く言い表すことが出来ないのですが、本当に良い音楽を聴けたというのは確かです。

 では、選考曲の発表です。



 「恋の予感」

 「Night Melody」


 「Luna De Gipsy」


 「Tinkle Fish」

 「White Fire」

 「Mystery Park」

 「A・S・A・P」

★「Dancing in the moonlight」


 「月の休息」

 「モンテカルロ」




 以上10曲が選ばれました(^^) ……正直な話、かなり削りましたね(^^; 本当は15曲ぐらいあったんですが(笑)。

 とはいえ、それぐらい無駄な曲がなく、どの曲も聴ける音楽でした。いや、素直に脱帽です。

 イチ押しは「Dancing in the moonlight」……どっかで聞いたことのあるアコーディオンの音色が絶妙な

インパクトを醸し出しています。思わずニヤリとする音楽でしたね(^ー^)

 機会があれば、是非一聴してみてください。ええ。



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−




 はい、どうやらこの作品がラストですね。フェアリーテールさん「Natural-ZeroPlus」です。

 ……思い起こせば私の基準でF&C系列の曲がランク入りすることって、なかなか無いんですよね(^^;

 世間一般ではDOORSサウンドの安定感とクオリティには定評があるのですが……それではノミネート曲の発表です。



★「抱きしめる意味」




 以上1曲が選ばれました(^^) 実はDOORSサウンドとしては久しぶりに評価高いです(苦笑)。

 イチ押し(といってもこれまた一曲しかありませんが(笑))は「抱きしめる意味」……せつな系の感じがなんとも。

 これ以外の曲も良い曲が多く、音楽では救われていましたね。 ……それ以外はちょっと辛かったですが。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−






 さて、以上の中から、今年のBest of Musicを決めたいと思います。


 ……それでは、発表します。

 2000年、ミレニアム&世紀末を飾るにふさわしい曲は果たしてどの曲なのか? それは……





『夏影』(AIR/Key)






 ……矢張りこれでしょう。とにかく凄すぎです。ゲームの情景、場面と重ね合わせると、更に強烈になりますし(笑)。

 良くも悪くも、発売後2ヶ月間、暇を見てはリピートしつつ聴いていた曲でした。


 これで音楽部門は、二年連続でKey(折戸さん)が取りましたね……。やっぱり、凄い人ですよ。ええ。

 はい、おめでとうございます。賞品はありませんが、私的認定の称号を差し上げましょう(^^) <いらないって






そして、新たなる世代へ 〜21世紀へ向けて〜




 ……ゲ−ムミュージック(GM)の良さを理解して貰いたい……そう唱え続けて、もう5年が経ちました。

月日の流れるのは本当に早いものだなあ、と、我ながら驚いています。

 今でこそ、音楽の存在がひとつの要素として十分に認められていますが、DOS当時、FM音源を主体とした

時代は、音楽はあっても無くても関係ないとまで言われていた時代もありました。今では信じられない話です。


 そんななか、いち早くMIDI音源を手に入れていた私は、その特権を利用して様々な名曲を聴いていました。

 ……ファーランドストーリー、夢幻夜想曲、そしてLeafシリーズの作品……。これらのGMに多大な影響を受けた

ことがきっかけとなり、音楽に関してその有効性と可能性を信じ続けてきましたが……、いや、信じてきて良かった

な、と(笑)。 本当に、そう思います。


 さて、このテキストも終わりが近づいてきました。これをもって、2000年の発表を終わらせていただきます。


 いよいよ21世紀を迎え、GMも今までの枠を越え、様々な形で進化していくと思われます。

 過ぎゆく20世紀に感謝し、また新たなる名曲の登場を期待しつつ、今後の展開を楽しみに待つとしましょう。


 では、縁があれば、来年のテキストでお会いしましょう(^^)/〜





2001/01/07 流 雷氷