Ver 1.00
 
Nagale's ゲ−ムレビュ−
 
 
 
『WHITE ALBUM』
 
 
 
 
 
 3月某日、ポストを覗くとLeafからDMが届いていた。何かなあ? と思いつつも封筒を開ける。中には……
 
「ファンクラブ入会案内」&「WHITE ALBUM」通販申込書。……20分後、郵便局で振り込みを済ませる
 
Nagaleの姿があったのはいうまでもなく(笑)……閑話休題。
 
 
 
 
 さて、今回の作品ですが、正直幾つかの気がかりな点がありました。
 
 というのも……取っつきにくい、ってのが本音です。理由は3つ。まずひとつめは「リ−フの過去の作品(ノベル
 
以外のゲ−ム)について私はそれほどシナリオ面で高い評価を出していない」……いくら過去の話とはいえど多少は
 
気になってしまうのは事実。
 
 
 次にふたつめは……これが1番のネックなのですが……「恋愛系ではあるが正式な彼女がいる」。浮気性ではない私
 
にはゲ−ムを進めるのが何となく苦になるような気がするということ。やっぱり嫌です。浮気(?)をしてまで
 
他の女の子を攻略するのは。ヒロインが可哀想で……。
 
 
 そしてみっつめは「そろそろハズレを引いてしまうかなあ」といった危惧感。正直いってゲ−ムの展開やシナリオの完成度
 
(これは恋愛系ゲ−ムのスト−リ−について)は「Leaf」の過去のゲ−ム作品でほぼ頂点まで到達しているのでは
 
ないか? ということです。まあ、あくまで「Leaf」というメ−カ−についての話ですけど。
 
 
 まあ、そういった先入観を捨て、ひとつのゲ−ム、ひとりの批評ライタ−として公正な評価を下さなければならないのは
 
この家業の苦しいところですね(苦笑)。
 
 では行ってみましょうか!
 
 
 
 
 
 ……やっぱり凄いですね。Leafさんは。こういう素晴らしいシナリオを持ってくるところが、今の勢いを感じさせます。
 
ただ、賛否両論だったのは確かみたいですが。よっぽど割り切ってプレイしない限り、相当精神的にダメ−ジを受けます。
 
 幾らゲ−ムとはいえ、人(彼女)を裏切るってのは辛いですね。(勿論裏切らないことも可能)恋愛系にありがちな「
 
理想的な恋愛」ではなく「より現実的な恋愛」を演出しているような気がします。どっちがいいとは一概には言い
 
切れませんが……。
 
 ただ、私を含め、殆どの方が似たような感想を持っていたようです。シナリオは最高でした。だけど……最高だからこそ
 
辛かった……難しいですね。
 
 
 さて、ゲ−ムの感想の方いってみますか。
 
 
 
 
 
 各キャラクタ−の演出が上手かったです。マネ−ジャ−やプロデュ−サ−の役割、人間としての優しさを持ちつつも、
 
個々の職業のプロであることが上手く表現されていますね。思わず考えさせられるような台詞が結構出てきます。
 
そういったあたりはシナリオライタ−の上手さが光ります。
 
 
 スト−リ−の流れはやっぱり重かったですね。どうしてもゲ−ム自体が暗くなる印象がありました。まあ、確かに明るい
 
ゲ−ムでは無いんですけど。あと、人間関係の交錯(葛藤)はあまり見ていて気持ちいいものでは無いです。ちょっと
 
なあ〜と思う展開がいくつかあったのは気になりました。
 
 
 
 あと、何でノベルじゃ無かったのかなあ。確かに、Leafさんは、「Leaf=ノベル」となることを嫌っては
 
いますけど、この手のシナリオはノベルにして欲しかったです。っていうか「ノベルにしない意味ってありますか?」
 
いや、本当に。無理しなくてもいいのに。もしもノベル形式ならあのシナリオでも受け入れられたかもしれないのに……
 
 無理をしないでノベルにまとめても良かったんじゃないかなあ。
 
 
 
 あと、正直主人公にも疑問が残りますね。何故、由綺という彼女がいながら、他のキャラに魅せられていくのか?
 
弥生さんとの関係はともかくとして。
 
 ……本当はこんなことは書いてはいけないんですけどね。この手の疑問は基本的には禁忌ですから。ただ、そうでも
 
書かないとこのシナリオを受け入れることは出来ませんね。
 
 
 
 長瀬一族は健在(笑)。いいです、あのノリは(笑)。今回は曲も凝ってましたね。ささやかにレコ−ドノイズが
 
入っているところは職人芸ですね。ああいうのは好きだなあ。やっぱり音楽に力を入れてるところは違うよなあ。
 
 
 あと、あんまし関係ないけど、あれって小室○哉(笑)。……ちょっと古い時事ネタだなあ。
 
 いつもは新しい時事ネタで勝負してくるのに。今や衰退中のネタを入れなくてもいいと思うんですけど。由綺達の
 
将来も……なんて考えちゃいますよ。マジで(笑)。ちょっとしくじったているなあ? って気もします。
 
 
 
 
 
総 評
 
 
 
 勿論、いいゲ−ムです。ただ、完全に好みが分かれることは事実でしょう。
 
 これはあくまでゲ−ムだ! という精神でいかないと結構辛い思いをするのではないでしょうか。結局私はヒロインを
 
落として諦めました。多分私の精神では由綺を裏切ることは出来ないでしょうから……まあ、しょうがないでしょう。
 
 ゲ−ムとしての完成度が非常に高いだけに全シナリオを終わらせることが出来なかったのが心残りですね。精神面の
 
弱さだなあ……それでは、今回はこの辺で。
 
 
1998/7/5  流 雷氷委員長
 
 
 
Post,Script,
 
やっぱ浮気は出来なかった(涙)。
 
 
 
 
 
<ゲ−ム動作環境>
 
 
 
Win95が動作すること。
 
Pentium100Mhz以上
 
640×480 256色環境が可能であること。
 
メモリ16M以上 HDD空き50MB以上
 
倍速以上のCD−ROM(CD−DA演奏)
 
DirectX未使用
 
 
 
 
 
「補足」
 
 
 
「アニメ一部有り」 「音声無し」 「原画 ら〜YOU」 「18禁」 「ボ−カル3曲」 「ゲ−ムVer2.00」
 
 
 
 
 
<評   価>
 
 
 
『WHITE ALBUM』
 
 
 
メ−カ−     Leaf
 
ジャンル      ADV
 
 
ゲ−ム性      9点
 
スト−リ−性    9点
 
グラフィック   10点
 
操作性       8点
 
音楽       10点
 
 
合計   46点
 
 
 
 
 
<評価概要>
 
 
 
恋愛ゲ−ムとしての完成度は高い。ただ、その全てを受け入れることは難しい。
 
完成度は申し分無し。ただ、特定キャラ以外の展開は個人的についていけなかった。
 
原画、彩色ともに繊細で綺麗。細かなところを全体でカバ−しているのは流石。
 
ランダム要素が強すぎた気がする。チャ−トが組みにくくて不便。
 
いつもながらのレベルの高さ。今回のお気に入りは「パウダ−スノ−」
 
 
 
 
 
<評価用プレイ時間参考表>
 
 
 
1プレイ時間     約 7時間00分
 
総プレイ時間     約16時間00分
 
 
1プレイでのHシ−ンの割合(時間)     約00時間07分(平均)