妻みぐい2

　はじめに注意事項です。このレビュー中には表現の都合上、ゲーム内容に関してのネタバレなどが含まれている

可能性があります。ゲームをプレイ中、及び未プレイの方は、ゲームを最低一度は攻略（エンディングまで到達）した

後で、このレビューを読むことをお薦めします（勿論、未プレイの方でも大丈夫なよう、ネタバレ的要素は極力排除

しているつもりですが、排除が万全とは言えません）。以上の件、閲覧前に何卒ご理解ご了承下さい。　

　ん～、正直なところ続編は出ないと思っていたんだけどなあ……。

　仕事多忙でエロゲを遊ぶ時間がめっきり減っていた3月下旬。私はエロゲどころか雑誌を満足に読む暇もなく、ただひたすらに早番と

残業を繰り返す日々を過ごしていました。……まあ、これが本来の社会人の姿と言えばその通りなのですが（苦笑）。

　とは言え、なんだかんだ言いつつもエロゲ好きな私としてはエロゲこそが息抜きであり娯楽の時間。合間の少ない時間を確保しつつ

ポチポチと新作を遊んで居たのですが、矢張り大作ゲームや長めのゲームを遊ぶには根本的に無理があったのも事実。

　さて、こういうときに有り難いのが少ない時間で楽しめるお手軽ゲーの存在。実際似非社会人にとっては本当に有り難い存在なの

ですが、一年前までの傾向として「お手軽だけど普通の値段」と言う暗黙の了解のようなものがあり、それならば普通のエロゲを購入

した方が遙かにお得と言う本末転倒な結論に達していたケースが多々ありました。

　しかし、丁度昨年の今頃に発売された前作「妻みぐい」以降、低価格でお手軽に楽しめるゲームが増え、この悩みも解消傾向。

勿論長く遊べるゲームも必要ですが、エロゲを遊ぶ年齢層を考慮すれば限られた時間でお手軽に遊べるエロゲというのもそれ以上に

必要だと思われるご時世において、本作のように低価格で購入でき、相応に楽しめる作品と言うのは本当に有り難い存在。

　まあ常日頃から少ない財布の中身と相談している立場としても有り難い話ではありますけど、ね（苦笑）。

　と言うわけで何ら躊躇うことなく本作を購入したのですが……閑話休題。

　いや、相変わらず値段に見合わぬ良い出来でした。

　どうしてもお手軽ゲーとしての評価になっているのは事実ですが、それを差し引いても満足のいく内容であることは言うに及ばず。

巷で発売されている高価なソフト達と何ら遜色のない作りと完成度で2800円と言う低価格を実現している点は相変わらず凄いですね。

　……と言うか本当に本作を2800円で出して大丈夫なのかと不安になるぐらいの完成度を保っているのは驚きです。特に今回は

低価格路線の先駆けと言っても過言ではない前作のインパクトが大きすぎやしないかと言う不安もあったのですが、蓋を開けてみれば

その心配も杞憂。個人的には前作以上に楽しめる作品に仕上がっていたと言えるでしょう。

　まあ勿論、安いならではの仕様やジャンルが万人向けとは言えない点など、手放しでお薦めするには厳しい部分もあるとは言え、

このクオリティでこの値段であれば多少の部分は目を瞑って差し支えありませんね。実際voiceまで搭載されている訳ですし……。

　さて、それでは個々の見解に行ってみましょう。

　お手軽ゲーでも中身は充実……ゲーム性です。

　ゲームジャンルはADV。愛情度や体力など各種パラメータの存在により若干ながらSLG的な要素もありますが、調整等が特に

難しい訳でもなく難易度も低めということを考慮すると、ジャンルはほぼADVと考えて差し支えありません。ちなみにタイトルからも簡単に

予想が付きますが、基本的に人妻ゲー＆寝取りゲーです。なお1プレイ時間は約4時間程度と、お手軽ゲーとしては少し長めでした。

　肝心のゲーム概要は言うまでもなく人妻ゲー。ナチュラルに確信犯な主人公が2人のヒロイン（人妻）と日々Hに勤しむあっけらかん

とした内容です。勿論、えちシーンのシチュエーションは豊富に用意されているので、エロゲとして楽しめることは間違いありません。

　また、シナリオに大きく絡むことはありませんが、サブキャラもそれぞれに個性があり魅力的だった点は良かったですね。

　但し「人妻寝取りゲー」と言うジャンルには疑問が残りますね。良くも悪くもゲーム自体が軽い空気のまま進んでいくので、寝取りと

言う感覚が薄く、普通の恋愛ADVと殆ど変わりないんですよ。勿論ゲーム自体は人妻しか攻略出来ませんが、何か畑違いのゲームを

遊んでいる印象が強かったのは一長一短かな、と。まあ個人的にドロドロした展開は嫌いなので、これで良かったと言えばそうなのです

が、本来もっとドロドロしているのが人妻ゲーでは無いかと言われればその通りですし……このあたりの捉え方は難しいですね。

　まあ気軽にエロエロな作品……と考えれば充分楽しめることは間違いありません、はい。

　何故か妙に爽やかだった……ストーリーです。

　ある夏の始め、昔世話になった先輩夫婦の洋食屋を手伝うために上京してきた主人公。そこで出迎えてくれた女性は主人公が

学生時代に恋心を寄せていた岸原遙。今は先輩である一馬の妻になっていた彼女だったが、料理に明け暮れる一馬とそれを支える

遙の間に少しづつすれ違いが生じて行くのを主人公は感じていた。

　そして、そんな彼女に主人公が言った言葉……「『愛情』と『快楽』は別物だよ？」

　その言葉を聞いた遙は、一馬から与えられない快楽を求め、熱い夜への道を踏み出していく……と言う設定で物語は幕を開けます。

　この概要を見れば解りますが、主人公が意外に吹っ飛んだ性格＆考えの持ち主なので、不自然な爽やかさに満ちあふれたゲーム

になっていました（苦笑）。まあ変に殺伐と進行するよりはこの方が良いのですが、本当に良いのかは微妙なところかも知れません。

　とは言えそこはお手軽ゲー。ぶっちゃけストーリーはこの設定に忠実な方向へと進んでいくので、あれこれ深く考えるより主人公

同様、割り切って遊んだ方が良いですね。くどいようですが、えちシーンに関してはある程度趣味が合えば問題なく堪能出来ますし。

　また、物語にわりと後腐れが無いので修羅場的な展開が嫌いな人も抵抗無く遊べる作品になっていたのは好印象。まあ寝取り

ゲー＆人妻ゲーと言うジャンルを考えると、この爽やかさは微妙な部分もありますが、なるべく万人受けになるゲームを提供すると言う

点ではそれも有りかなあ、と思われます。……余談ですが私は人妻も寝取りも嫌いなのでこのぐらいが有り難かったり（苦笑）。

　ただ本来感じるべき背徳感などが殆ど無かった＆気にならなかったのは評価が分かれるところでしょう。

　個人的にはこれで良かったのですが、恐らく拍子抜けした人も多いと思われますね。この点に関しては恋愛モード、鬼畜モードなどの

区別があれば解消されたと思われますが、2800円のゲームにそれを求めるのは流石に酷ですし……。

　……まあ先にも述べましたが、気軽に遊べるというコンセプトに乗っ取ったゲーム……そう考えれば納得の出来る内容でしょう。

　エンディングが良い意味で爽やかすぎて、修羅場を考えていた私が思わず拍子抜けした以外は特に問題ないかなあ、と（苦笑）。

　さて、ゲームの華、CGです。

　原画担当はちょも山さん。昔は絵に癖があり好みの分かれる作風だったのですが、ここ最近は絵柄が随分大衆向けになりました。

特にボリューム感＆むちむち感のあるCGは相変わらず官能的。単純にエロい原画として見ることが出来たのは高評価。

　……当たり前ですがエロゲの原画はエロいことが条件。勿論可愛い、綺麗など様々な要素も加味されますが原点は矢張りエロ。

　本作は年上のおねいさんが持つ特有の色香を保ちつつ、アダルトな雰囲気がしっかり醸し出されていた思われます。また、各えち

シーンのシチュエーションも豊富で、この点に関しても個人的には堪能させて貰いました。

　まあ強いて難を挙げれば主人公優位の展開が殆どだったことと、炉理は期待しない方が無難かな、と言う点でしょうか（苦笑）。

　それ以外は絵柄に抵抗が無ければ十二分に堪能できるCGだと思われます、はい。

　快適な動作には欠かせない……システムです。

　まずシステム本体はアリスさんお馴染みのSystem3.x系を採用しています。安定性に関しては語るまでもなく申し分なし。

但し中身に関して言えばセーブ、ロードの限定やCGモードの欠如（回想はあり）など、全体的に古くささを感じる仕様になっているのは

いつも通りですね。まあ普通に遊ぶぶんには殆どストレスなく進行できますが、それ以上の配慮はありません。

　ただ、CGモードに関しては別にあっても良かったんじゃないかな、と思われます。まあこれはシリーズ共通の仕様なのですが、値段

そのものに驚いていた当時とそれが浸透してきた現在では矢張り欲も出てきます。この値段なら許せる……ではなく、この値段で当た

り前と言う要素が増えてきた所為か、昔はある程度見過ごせた点も今は欠点として認識するようになってしまったなあ、と。

　基盤自体は普段から安定しているのですから、後は中身の仕様にも気を遣って欲しいと言うのが本音ですね。

　ちなみに私の環境では何故かホイールマウスが上手く機能しなかったのでバックログ対応に付いては不明と言うことで（苦笑）。

　さて、ゲームの引き立て役、音楽です。

　今回の音楽はNEY氏。常に安定したクオリティを持つ音楽を提供してくれる作曲家さんですが、本作は良くも悪くも安定しすぎ。

　及第ラインはクリアしていたものの特に印象に残る曲はなく、場面相応に音楽が流れていたと言う印象でした。静かな曲調が多か

った所為もありますが、何か1曲でもインパクトのある曲が欲しかったところですね……。

　で、今回一番の着目点はvoiceを採用しているという点。元々の値段を考慮すると無謀とも取れますが、それを知りつつあえて搭載

した点は高く評価したいところです。まあ、力のあるメーカーさんだからこそなせる技と言うことでしょう。なおvoiceのクオリティに関しても

特に問題はありませんでしたが、前作の経験者にとっては若干の違和感があるかも知れません。逆に、本作から入った人は何ら心配す

ること無く堪能できると思われるので、先入観云々の問題ではありますが……。

　……とりあえず音楽に関しては以上です。

　まだまだインパクトは健在……値段を考えると破格の完成度と言って差し支え無いですね。

　別に値段を呪縛にする考えはありませんが、影響は未だに大きいかと。勿論価格云々以前に内容に関しても相応のボリュームが

あり、本格的に楽しむことも可能という嬉しい仕様になっていた点は高く評価して良いと思われます。まあ新規購入層の方々が気軽に

手に取って遊べるような価格を保ちつつ、既存ユーザーに対しても納得の行く完成度を持っているのですから驚きです。

　さて、結論です。

　購入意欲があれば買い、無ければ止め……今回もこれだけです。勿論買ってみて趣味が合わなかったと言う人も居るとは思われ

ますが、常日頃から高価なエロゲを遊んでいるユーザーには許せる範囲の金額と言っても良いでしょう。

　ただ必要以上に気にすることもありませんが「寝取り」と言う行為に極端な嫌悪感を持っている人は回避した方が賢明ですね。

　もっとも人妻、寝取りと言う要素は私個人もあまり好きではないのですが、それでも本作を楽しめたことは記述しておきましょう。

　またタイトルに「2」とは書いてありますが、本作を続編と考える必要は殆どありません。逆に前作を遊んでいない方が、余計な設定に

惑わされることなく楽しめる可能性もあります（苦笑）。

　……くどいようですが、このスケール、完成度で2800円と言うのは本当に頭が下がります。

　良くも悪くも8800円ソフトに手を出しづらくなってしまった傾向もありますが、矢張りいちユーザーとしてこの価格は有り難いですし、

可能であればこれからもこのような形でお手軽な低価格ゲームを作って欲しいところですね。

　さて、今回はこの辺で筆を置かせて貰います。

　縁があれば次のレビューでお会いしましょう（＾＾）／～

そのまんまの人妻寝取りゲー。但し背徳感などは殆ど無くあっさり気味なので、目的によっては評価が分かれることも。

本能の赴くままに。主人公の性格とEDの妙な爽やかさに助けられ、気軽に遊ぶことが出来たのは個人的に高評価。

単純にエロいと言う点は非常に良い。シチュも豊富で堪能できる。特に欠点も無く、絵柄が合えば万人にお薦め出来る内容。

安定しているがそれ以上でもそれ以下でもない。CGモードに関しては実装しても何ら問題無かったと思うだけに残念。

普通すぎ。場面には合っているし音楽としても聴けるが、全く印象に残ることが無かったのは残念。