Ver 1.00



 
 






★★★『とびでばいん』★★★



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 はじめに注意事項です。このレビュー中には表現の都合上、どうしてもゲーム内容のネタバレなどが含まれている

可能性があります。ゲームをプレイ中、及び未プレイの方は、ゲームを最低一度は攻略(エンディングまで到達) した

後で、このレビューを読むことをお薦めします(勿論、未プレイの方でも大丈夫なよう、ネタバレ的要素は極力排除

しているつもりですが……)。
……以上の件、何卒ご理解ご了承下さいませ。 

 
 
 
@@@@@@@  ネタバレ注意  @@@@@@@








●− Review  序章 −●






 うあ〜「プロギ○の嵐」、最終面で詰まった〜。


 北国に桜前線が到達しつつあった4月の下旬。私は相変わらずエロゲー三昧の自堕落な似非リーマン生活……ではなく、珍しく

ゲーセンで某シューティング(以下STG)に燃えていました。まあ、やっていることは普段とあまり変わりないのですが(苦笑)。

 とはいえ、今でこそエロゲがメインな生活をしているものの、約5年前まではそれなりにコンシューマやゲーセンにも縁があった立場。

その中でも特にSTGを好む傾向が強かった私にとって、STGは今でも暇を見てはプレイすることがある貴重な存在なのです。


 そんなわけで、今回発売される「とびでばいん」も、私が非常に期待を寄せていた1本でした。また、本作の発売元であるメーカーさん

は、私の地元である北海道。いち道民としての立場として、更に地元メーカーの中では一番支持しているメーカーさんとして、そういった

意味でも非常に期待しているソフトだったのです。

 そして発売日。初回不良のパッケージに悩まされつつもソフトを開封し、プレイを開始したのですが……閑話休題。





●− Review1  全体の印象 −●






 ……な、なまら……を使うことないべさ(苦笑)<註:北海道弁

 でも「なまら」って昔と違い、結構全国的に認知度高いですよね……閑話休題。


 ん、良いですね。本作の必須条件でもあったエロとSTGの両立もそれ相応に出来ていましたし、何より「D+VINE」ファンには懐かしく

もあり、嬉くもあるソフトでした。ただ、初期ロットにおける箱のトラブルに関しては……ちょっと不手際でしたね。

 まあ、ジャンルがSTGということで、どうしてもユーザーを選ぶ内容になっていることは否めないのですが、逆に言えばメインでもある

STG部分はしっかり作ってあり、その出来は似非シューターを自負している私としても満足のいくものでした。


 ただ、必然的とは言え、ゲームの要となるSTG部分にウェイトを置きすぎた所為か、もうひとつの要素であるADV部分に関しては、

進行が多少ダルく感じてしまったりと、それなりに不満があったことも確かなのですが……。

 それでは、個々の見解に行ってみましょう。







●− Review2 ゲーム性  −●






 さて、似非シューターの面子は保てるか……ゲーム性です。


 最近某プ○ギアで横シューは訓練していたから大丈夫だろう……と言うことで、最初からハードモードでプレイを開始したまでは

良かったものの、案の定ラスボスに手こずる羽目に……それでも最終的にはなんとかなりましたけど(苦笑)。

 で、その後ノーマルモードもクリアしてみましたが、本作のメインとも言えるSTG部分の出来は良いですね。特に私的における一番

の重要なポイントであった自機の当たり判定も小さかったために理不尽なミスもなく、適度に弾避けが出来たのは嬉しかったですね。

 その他の各種バランスも良く、非常に丁寧な作りになっていたと思われます。

 まあ、ボムが緊急回避にしか役立たない程度の威力だったり、全編通して敵に押される感が強かったなどの不満もありますが、

これは殆ど個人的な意見の範疇と言うことで納得して頂ければ……。

 実際、このあたりは私のようなシューター限定の論点ですが、普通にゲームを楽しみたい人がクリアするぶんには難易度を下げ、

気楽にプレイすれば、仮にSTG初心者でも殆ど大丈夫な作りになっていると思われます。


 ただ、残念なことにやり込み要素という点では、個人的にそれほどのものは感じませんでしたね。

 本作のSTG部分における面白さは弾避けというよりも、敵を倒しつつ得点やチェーンコンボを稼いだりするところにウェイトをかけて

いますし、それ自体は上手くできてはいたのですが、私としてはやり込んでまで楽しみたいという程では無かったです。

 更に、もうひとつのメインでもあるADV部分に関しても、その中身はともかくとして、もう少しテンポの良さが欲しかったところですね。

 状況によっては主人公(ハイド)が同じ場所に何度も行かないとシナリオが進まなかったりと、ひとつにまとめられそうなイベントを

無意味に延ばし、無駄な行動を多くしている感を受けました。

 それがゲームの展開上、必然的であるならば話は別ですが、本作の展開を見る限りでは特にその意味が感じられなかったですし、

そうであったのなら、その場所で進められる限りのイベントは一度にまとめて演出して欲しかったかな、と。

 ゲームの快適さやテンポを求めるという点では、この要素は随分足枷になっていたと思われます。


 あと、余談ですが……なんで「イカ」だったんでしょう? 地元かつ私的には「カニ」の方が良かった気も……ん〜。







●− Review3 ストーリー −●






 さて、前作同様、メインのジャンルに気を取られ過ぎていないか……ストーリーです。


 矢張りというか、残念というか、あまり多くを期待しないで正解でしたね。正直な話、オマケ的な要素と言ったところでしょう。

 いや、別にストーリー自体は起承転結揃っていましたし、悪くはないのですが、もともとSTG部分に力を入れてあるので、シナリオの

大半はHに至るまでの簡単な課程と展開(こじつけとも言う)を書いているだけのようなもの。まあ、くどいですが、メインはあくまでSTG。

シナリオ部分は余興程度に扱った方が良いでしょう。

 ただ、登場キャラや舞台設定などは前作「D+VINE[LUV]」を流用しているため、必然的に前作キャラが登場人物の殆どを占めます。

 前作をプレイしている私にとっては嬉しい展開や懐かしい展開が多かったのですが、逆に言えば、前作をプレイしいない人には多少の

取っつき辛さもありますね。

 また、前作をプレイしていても、前作同様、サブシナリオ的な扱いが多く、個々のキャラは特に深いところまで介入して来るわけでは

ないので、キャラに対して過度の期待はしない方が良いでしょう。

 しかもキャラによっては個別シナリオを進めていないと解らない(知らなかった)箇所も存在しますし……。


 とはいえ、このあたりはある程度理解して購入している人が殆どだと思われるので、特に気にすることはないでしょう。

 まあ、ストーリーに関してはこんなところですね、ええ。







●− Review4 グラフィック −●






 さて、ADV部分には欠かせない……CGです。

 CGに関しては原画、彩色共に申しぶんないですね。特に彩色に関しては256色技術により一層磨きがかかった感じでした。

 いや〜、本当に綺麗ですよ。なんで今のご時世に256色……という人も居るとは思いますが、CG容量やHDD容量の削減(単純に

考えて、同解像度の256色データとフルカラーデータでは容量に3倍近い差が出来る)システムの軽さなど、特にSTGパートにおいては

低環境をフォローできると言う面で、カラーを抑えるというのは非常に優れた手段でもあります。

 でも、どうせなら削減した容量で、CGの枚数を3倍にして欲しいというのはかなり贅沢な話でしょうか(苦笑)。


 ただ、一部の構図に関してはいくら全体的にディフォルメがかっていたとはいえ、頭がちょっと大きすぎたかな、という気もしました。

 この程度であれば充分許容範囲なのですが、手放しで満点〜とはいかなかったですね、残念。







●− Review5 操作性(システム) −●






 さて「なまら」には北海道民として苦笑いしつつ……システム関連です。


 まず、システム関連は非常にあずましい……もとい、心地よい作りになっていました。

 全体を通して特に不満に感じたところもなく、ゲームを楽しむ分には全く問題のない作りになっていたと思われます。特にSTG部分の

快適さと言う面では、ゲームの邪魔にならない程度に上手く融合できていたと思われます。

 更に動作に関しては個々の環境に応じてエフェクトをある程度調整できたりと、低環境のプレイヤーにも対応してくれるのは嬉しかった

ですし、それ自体も高く評価したいです。勿論必須環境自体はそれなりに求められるものの、無理を言わなければ必要最低限の環境

でも大丈夫でしょう。STGが苦手な人にとっては遅いほうが良いという人も居ますし……。


 ただ、STGの操作に関してはキーボードでも対応可能なものの、ジョイパッドがあればより一層快適にプレイできることは言うまでも

ありません。この辺は、STG上級者には当たり前の設備&話かも知れませんが……。

 まあ、システム面に関しても特に大きな不満はありませんでした、はい。







●− Review6 音楽 −●






 さて、STGに求められているノリの良い曲は聞けるのか……音楽です。


 音楽に関しては特に不満もなく、まさにSTGらしいノリの良い曲が多かったと思います。

 「D+VINE」のときもそうでしたが、ここの作曲者さんは状況に合った曲を作るのが上手いですね。今回もその手腕が発揮されていたと

思われます。ゲームを盛り上がる要因として、しっかりと成立していました。

 ……ただ、そこまでですね。間違いなくレヴェルは一定水準以上なのですが、何故か最高点は出せないといういつものパターンに

なってしまいました。どうも後一歩印象に残る曲が少ないと言うのが引っ掛かるんですよね……不思議な話です。

 また、時世な話ですが、キャラの魅力が高いゲームには、矢張り声が欲しかったです。規模的にも尚更ですね……。


 あと、余談になりますが同封されていた旧作のアレンジCDも、なかなか良い感じでアレンジがかかっていて上手かったです。

 個人的には前2作のサントラが同封されているものだと思っていたので、多少の肩すかしはありましたが……(苦笑)。







●− Review7 総合評価 −●






 さて、難しいところですが……総評です。


 ゲーム自体を楽しめたことは間違いありません。特にSTGに関しては似非シューターの私でも十分に楽しめたことがその証拠です

し、何よりハードモードのラスボスはなかなか絶妙な弾避けを楽しませて貰いました。弾避けに快感を覚えるヤバイ立場としては、なか

なか堪能できたかな、と(苦笑)。

 反面、ADVはそれなりの作りになっているので、期待したほどの内容では無かったですね。特に、無駄な移動が多いという点では

短い内容にも関わらずタルさを感じた部分が多かったので……。


 さて、結論です。

 STGが好きで、内容に興味がある人は「買い」で良いと思われます。少なからずSTGを嗜む立場として、今回の「とびでばいん」は

及第点以上にSTGとして楽しめる出来でしたし、人によってはやり込み要素の余地もある作りになっていると思われます。

 反面、ADV部分に期待を寄せる人は、STGが得手不得手は別として、過度な期待を持たない方が無難だと思われますね。

 エロシーンはそれなりに用意されていますし、CGも非常に綺麗なのですが、どうしてもSTGにウェイトを置いた作りになっているので、

ある程度どうしようもない部分があるかなあ、と。

 まあ、STGをメインとして買った私としては良い感じで堪能させて貰ったので、充分満足できたのですが……。

 いかんせんSTGと言うだけで、ユーザーを選ぶ傾向があるゲームであることは間違いないんですよね、残念なことに。


 さて、今回はこの辺で筆を置かせて貰います。

 縁があれば、次のレビューでお会いしましょう(^^)/〜







2001/05/31 流 雷氷



Post,Script,


ラスボスが寿司じゃなくて本当に良かった……(苦笑)。



< ゲーム動作環境 >


 
 


OS=日本語版Windows95/98/Me/2000/日本語版が動作する環境

CPU=Pentium200MHz(推奨PentiumII-300MHz)以上

メモリ=空き32MB(推奨64MB)以上

HDD=空き容量300MB以上

解像度=640×480:256色表示が可能であること(フルスクリーン専用)

CD−ROM=2倍速(推奨4倍速)以上

音源=CD-DA、PCM

DirectX=Ver5以降必須



  


 
(一部パッケ−ジより抜粋)




< 補足 >




原画:本田直樹」

シナリオ:大槻 涼樹」

音楽:矢野雅士」

音声:無し アニメ:無し 」

価格:7800円」

初回特典:無し(但しパッケージ不良あり)」

年齢制限:18禁」


(順不同、敬称略)
 
 
 
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< 評  価 >
 
 
 
『とびでばいん』
 
 
 
メ−カ−   アボガドパワーズ
 
ジャンル     STG+ADV
 
 
 
ゲ−ム性        10点
 
スト−リ−         7点
 
グラフィック         10点
 
操作性           9点
 
音楽             9点
 
 
 
合計 45点






<評価概要>





純粋にSTGとして楽しめ。ADV部分の不満、やりこみ意欲に欠けるなどの欠点はあるが、ゲームの完成度は高く評価したい。

物足りない。実質オマケみたいなものだが、本当にオマケと化している感が強かった。まあ、これは許容範囲だろう。

このご時世に256色も立派だが、フルカラーに優るとも劣らない彩色には拍手。原画は頭身に若干の違和感有り。

システム自体は良好。環境に応じてエフェクトを変更できたりと、配慮は良い。ただ、基本的にはパッドが必須になる感じ。

良い曲が多かった。ただ、もう少し派手な……ノリの良い曲があっても良かったと思う。あと、声が欲しかった感も。
 
(上から順に、ゲ−ム、スト−リ−、CG、操作、音楽と各1行ずつの簡易評価説明)





<評価用プレイ時間参考表>




1プレイ時間     約03時間00分

総プレイ時間     約06時間00分
 
1プレイにおけるHシ−ンの割合(時間) 約00時間15分