Ver 1.01
Nagale’s ゲ−ムレビュ−
★★★『Ribbon2』★★★
■■■■■ README ■■■■■
このレビュ−には、ゲ−ム中のネタばれ等が多数含まれています
(極力抑えてはいますが……)。
ゲ−ムをプレイ中及び未プレイの方は、ゲ−ムを完全に(最低一度は)攻略し
た後で、このレビュ−を読むことをお薦めします。
@@@@@@ ネタばれ注意 @@@@@@
●− Review 序章 −●
「久しぶりにまともな学園恋愛系ゲ−ムがやりたい……」
秋風が日を追うごとに寒くなってきた11月の上旬、Nagaleは夏タイヤシ−ズンのラストドライブを楽しみつつ、
頭の中で『Ribbon2』のことをぼんやりと考えていました(注:考えごとをしながらの運転は
やめましょう)。
正直なところ、この年になっての学園恋愛ゲ−ムは過ぎし日の寂しさを感じるだけの代物とも言えますが、昔を
懐かしむのも(まだ昔ってわけでもないかなあ?)別に嫌いではないNagale。とりあえず買ってから後悔しても
遅くはない(?)という考えと、ホ−ムペ−ジ制作で多忙中の状態での現実逃避も兼ね、常々余裕があったら買って
みようと思っていた本作を購入したわけで……余裕なんてないのに……閑話休題。
●− Review 1 全体の印象 −●
い、胃が痛い……。とりあえず、ファ−ストインパクトありすぎ(苦笑)。まさかゲ−ム開始後に
はじめて表示されるキャラCGが頭にシャ−プが刺さって血ぃ流してる委員長のCG(勿論ギャグ)だとは夢に
も思いませんでしたよ。
正直、こんなんでまともに話が進むのかと唸ってしまいましたが……。
しかし予想に反比例してゲ−ム自体はとても丁寧に作られていて好感が持てました。基本忠実といえば聞こえが悪いかも
しれませんが、基本忠実を保つのがどれだけ大変なことかは誰もが知っていることなので、これは充分評価に値します。
実際、本作は学園恋愛ゲ−ムの基礎(あくまでも私的な概念における……例えばクラスの雰囲気やちょっとした朝の
会話など)をしっかりと掴んでいて感心しました。
さて、それでは改めて個々の見解を語っていきましょうか。
●− Review 2 ゲ−ム性 −●
まず、肝心のゲ−ム自体の出来については先ほども述べたように丁寧で素直な作りです。派手な演出をせず、人と
人とのつながりや複雑な人間関係、各キャラの葛藤など、ヒロインや友達から訴えかけられる「言葉」に重点を置いた
ことで、しっかりと中身で勝負している感をうけます。これにより表面上だけではなく、内面においても個々のヒロインの
性格や心情が上手く「立って」います。学園恋愛というジャンルを語る上で、充分な内容になっています。リアルな
現実……というまでではありませんが、雰囲気は出ています。なんか不器用な恋愛方程式を見ている
みたいな気分が沸いてきて、なんとも言えない感じがあります(苦笑)。
またテキストも読んでいて楽しく、ノリがあって飽きないです。まさか主人公を朝起こすときに「今日はお城に
行く日でしょう」というセリフが出てこようとは(^^;
ただ、たまに半角カナを使っているような文章の記述があったのは違和感がありましたが。
難易度は比較的低く、攻略に手間取るようなことは無いでしょう。ただ、特定キャラの出現に関しては若干プラグを
立たせるのが辛いかもしれません。
●− Review 3 スト−リ−性 −●
どのシナリオもレヴェルは高いです。要所要所で印象に残る台詞、ゲ−ムが終わった後に感じる
なんとも言えない気持ち……。まあ、正直プレイしていて胃が痛くなるような切ない展開やつらいシ−ンが多かった
のも事実ですが、それでも個人的にシナリオの評価が高いのは矢張りゲ−ム自体が丁寧に作っていたからでしょう。
なんか妙に青春だなあと思えるような展開が多くて嬉しかったですね。学園モノとしての雰囲気も良く、非常に
リアリティがありました。
またキャラに関しても正に理想の友人像を見せつけてくれましたね(笑)。特に同性友達の要所要所での
コミュニケ−ションや友情はきれい事と感じつつも、ついつい「いいヤツだなあコイツは」と思って
しまいましたよ(苦笑)。
本当に「言葉」の印象が強いゲ−ムをプレイした気がします。はい。
さて、問題は一部シナリオにおいて他所からのネタ流用(パクリ)の件ですか。どうもこのゲ−ム、一部ヒロインの
シナリオで何処かの少女漫画のスト−リ−(?)をそっくりそのまま使っているという話なんですよ。
原因は逃亡したシナリオライタ−云々らしいのですが……。
これ……辛いです。本当はこの件については書きたくないんだけど、書かないわけにもいかないし。
結局こういう事実があると他のシナリオの正しい評価が出せなくなってしまいます。正直なところ、評価の方向を
どう持っていったらいいかは個人的にもわかりません。個々のシナリオの出来は良くても、全体としてみると、ネタを
引用しているシナリオが幾つかあるゲ−ムだという事実は揺るぎないものですし……。
ただ、これはある意味で確信犯的に作られたというのが決定的ですね。これをやってしまうと弁護の余地は
ありません。
あえて言えば、モトネタを知らなければ別に関係ないとも言えますが……まあ、これではネタを知っている人は
納得いかないでしょうけど……。
あと、開発者が「オリジナルを超えるスト−リ−を作ればパクリじゃなくなる」とかいってましたが……
違わないか? それって?
悪いけどこの意見には賛同できませんね。っていうか、開発者がこういうこと書いていいのかいな?
ちなみにNagaleはモトネタを知りません。そういう面では指摘されるまでは全然気にも止めてませんでした。
ま、そういうことで別に気にすることはない……というわけにはいきませんね。
これはそれ以前の問題です。どのような結果であれ、Ribbon2のシナリオに関しては評価自体を出すことが
出来ないというのが現状のNagaleの見解です。
●− Review 4 グラフィック −●
さて、最初に思いっきり笑わせて貰ったCGですが……。
正直、絵柄的にはちょっとロリ系(可愛い系)+アニメ系の塗りが入っていてNagaleのあまり好きな作風では
ありません。
が、しかし馴れてしまえばこっちのもの。目立った構図の違和感もなく彩色も綺麗。CGとしては充分な出来で
あると言えます。
また、純粋に感心したのが背景の微妙な変化の書き込みです。学園祭の準備が出来てくるに
つれ小道具が増えていく教室や夜の自室でのカ−テンの変化など、あそこまでやってくれると職人芸と言えます。
このような演出は正直、素直に感心していいのか技術と手間の無駄遣いなのか悩むところでもありますが、日々日常
の何気ない変化を演出しているという面では非常に良いと思います。個人的にはこういう試みは高く評価したいです。
……ただ、月ってあんな戻りかただったかなあ? う〜ん?
●− Review 5 操作性(システム) −●
システムについては幾つかのオリジナル要素が入っています。
まず、各キャラ攻略後に出てくるEMS(エンカウントメモリ−システム)についてはちょっと疑問が残ります。
このシステム自体はいいのですが、どうせなら各キャラ攻略中の時点で発動させると面白かったと思われます。例えば
愛情度が一定以上いくとリボンが変化する……といったようにすればもっとこのシステムが良くなったと思われます。
攻略してから顔CGがでてもあんましうれしくないかも。確かに2回目以降は楽なのですが。
次にリアルタイム選択肢についてですが……う〜ん、確かにその場における臨場感や緊張感は出ますね。
Nagaleはこういうシステムを体験するのは初めてですが、以外に楽しむことができました。授業中、先生に
当てられたときの答えとかはなかなかにスリルがあっていい感じでした(苦笑)。
ただ、楽しんでおいてこんなことを言うのもなんですがNagaleとしてはこのシステムは無理して入れるまで
もないかなあ? という感想です。選択肢の度に身構えるのはちょっと疲れますわ(^^;
文章をゆっくり読んでから考える方がやっぱりいいですね。
コンフィグ等のシステムに関しては典型的ビジュアルア−ツ系のシステムなので使いやすいです。各種カスタマイズの
出来は非常に良いですね。
でも、ゲ−ムの雰囲気がセ−ブ等の確認SE以外感じられないのは味気ないなあ。いつも思うのですが、ビジュアル
ア−ツ系のシステムは無機物的な使いやすさだと思うんですよ。ゲ−ムの内容云々に関係なくいつも同じ。基本システムが
使いやすいだけにこういう細かな配慮(せめてセ−ブ画面ぐらいはそのゲ−ムに合わて欲しい……)が欲しいというのは
贅沢な話なのかな。
●− Review 6 音楽 −●
音楽……いいです。気に入りました。特に各種アレンジ系が良い出来でした。
Vocalもなかなかいいです「新しい恋のかたち」の最初の音程(声?)が妙に高いのにはびっくりしましたが
(スピ−カ−のボリュ−ムを上げてた)、中身はいい曲でしたね。どうせならフルコ−ラス版も欲しかったです。
ただ、Nagaleの使ってる音源のせいかは不明ですが、WAV(音楽)の出だしがたま−につっかかることが
あったのはちょっと引っかかりました。
(あと、OPの曲がなんとなく「ゆ●れない願い」に雰囲気が似てたのはNagaleの気のせいか?)
CVに関しては……多分及第点だと思う(曖昧な見解でなんですが)。とりあえず初プレイは頑張ってCV入れて
プレイしました。
もともとCVに関してはあまりこだわりが無い方なので、とりあえず表だった違和感は無かったと思います。はい。
●− Review 7 総合評価 −●
さて、最後に……なんだかんだ言いつつも、ゲ−ムは楽しませて貰いました。
学園恋愛ゲ−ムがやりたい……という人は買って後悔することは無いでしょう。ゲ−ム自体が非常に明るくて(修羅場も
多いけど)、本当に読んでいて楽しい物語です。
シナリオについてもああいう結果になってしまったとはいえ、決して内容が悪かったわけではありません。シナリオの
ひとつひとつの大事な台詞に重みを感じ、プレイ終了後に印象に残ったゲ−ムのというのも最近では滅多にないことです。
それだけに……悔やまれますよ……本当に。
でも、久しぶりに青春時代をちょっとだけ思い出しました(苦笑)。
あの頃は良かったなあ……。うんうん。
1999/11/22 流 雷氷【委員長】
編 集 後 記
HP完成後の初レビュ−となりました。いままでとは違い「不特定多数」の人に公開する
という事実が強烈なプレッシャ−となり、ペンの進みが悪かったのはご愛敬……
いや、だだの言い訳か(^^;; それでは、縁があれば次のレビュ−でお会いしましょう。
< ゲ−ム動作環境 >
OS=Windows95/98が動作する環境
CPU=Pentium75MHz(推奨166MHz)以上
メモリ=16MB(推奨48MB)以上
HDD=空き容量5MB以上(推奨500MB以上)
解像度=640×480:フルカラ−表示が可能であること
CD−ROM=2倍速以上
パソコンがDirectX5(以降)に対応していること
(一部パッケ−ジより抜粋)
< 補足 >
「原画=MIRIKO」 「シナリオ=魁」 「音楽=ACE、VWN」
「音声=有り(女性のみ) アニメ=一部有り」 「価格 8800円」
「初回特典(?):おまけCD」 「18禁」
(順不同、敬称略)
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< 評 価 >
『Ribbon2』
メ−カ− Bonbee!
ジャンル SLG
ゲ−ム性 10点
スト−リ−性 −点(採点対象外)
グラフィック 10点
操 作 性 8点
音 楽 10点
合計
38点
< 評価概要 >
学園恋愛ゲ−ムとして、充分な完成度。全体から感じる暖かな雰囲気が良い。
−(公正な評価が不可のため未記入)
CGは綺麗。構図も特に違和感は無かった。書き込みについては素直に感心。
色々なシステムは面白いが、わずらわしさも感じる。コンフィグは無機質で素気ない。
OPのアレンジをはじめ、聞きごたえがあって良かった。CVも多分良い方だろう。
(上から順に、ゲ−ム、スト−リ−、CG、操作、音楽と各1行づつの評価簡易説明)
<評価用プレイ時間参考表>
1プレイ時間 約04時間00分(CV有り)
総プレイ時間 約15時間00分
1プレイでのHシ−ンの割合(時間) 約00時間00分〜00時間05分