Ver 1.00
 
 
 
Nagale's ゲームレビュー
 
 
 
 
 
 
 
★★★『プリズム・ハート』★★★
 
 
 
 
 
 
 
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はじめに注意事項です。このレビュー内には、ゲーム内容のネタバレなどが含まれている可能性があります。
 
 ゲームをプレイ中、及び未プレイの方は、ゲームを最低一度は攻略(エンディングまで到達) した後で、このレビューを読む
 
ことをお薦めします(勿論、未プレイの方でも大丈夫なように、ネタバレ的要素は極力排除しているつもりですが……)。
 
 
 
 
@@@@@@@  ネタバレ注意  @@@@@@@
 
 
 
 
 
 
 
●− Review  序章 −●
 
 
 
 
 
 え〜と、このゲームのレビューを書き終わると……あれ? 何もないや(苦笑)。
 
 
 時は10月上旬、ちまちまとレビューを書きつつ、次に購入を予定しているゲームの発売日を見た私は、思わず苦笑いを
 
浮かべてしまったのです。
 
 というのも、現状の予定では、次に購入するゲームの発売日まで、約3週間の開きがあることに気がついたからです。
 
 
 そんななか、NETをちまちまと徘徊していた私に「プリズム・ハート」という作品の話題が目に止まりました。
 
この作品、音楽をOdiakeSさんという、個人的に好きな作曲の方が担当していることで、ささやかに興味はあったのですが、
 
なにぶんそれだけでは購買意欲にもうひと押し足りません。……そんな状況の中、このゲームの評価を覗いてみると、以外に
 
高評価。友達からもそれなりに情報が伝わってきて、なんとなく本作のことが気になりだしたのです。
 
 
 そして、少し興味が沸いてきた最中、幸い(?)にも些細な収入があり、本作を買う余裕が出来ることになりました。
 
 結局、音楽に釣られて、本作……「プリズム・ハート」を購入したのですが……閑話休題。
 
 
 
 
 
 
 
●− Review1  全体の印象 −●
 
 
 
 
 
 うん、良いゲームです。
 
 
 ……月並みなセリフを言ってしまえば「まとまりが良い」です。ひねりの無い言葉ですが、これに尽きると思われます。
 
 気負うことなくプレイでき、ちゃんとしたゲームとちょっとした感動を魅せてくれる……。目立った欠点もなく、綺麗に
 
まとまっている作品というのが正直な感想かな……。
 
 考えようによっては、当たり前のようなことに思えますが、この「当たり前」を作るのが以外に難しいことは、誰もが知って
 
いることなので、その価値は大きいですね。ときには平凡も大事です。
 
 
 また、本作は育成SLGとADVの2つをメインに進行していきますが、これら2つの要素も、お互いを損ねることなく、
 
良い形で融合できていました。
 
 どちらかが秀でている為に、バランスが崩れるゲームが多い中、この両立がしっかりと出来ているのは良いですね。
 
 
 さて、それでは個々の考察に行ってみましょう。
 
 
 
 
 
 
 
●− Review2 ゲーム性  −●
 
 
 
 
 
 ……さて、先ずはゲーム性です、ね。
 
 
 ゲームの期間は約1年で、1プレイ時間は3〜4時間程度となっています。
 
 基本的に、1週間単位でスケジュールを決め、自分のパラメータなどを上げていき、月末の練習試合等を経て、最終的には
 
騎士を目指す……というのが一応の目的です。
 
 期間が1年という、一見すると少し長めの設定にも見えますが、先程も述べたように、スケジュールが一週間刻みな
 
ことに加え、要所要所で挿入される多彩な演出が上手く相まり、テンポ良くサクサクと進んで行くため、体感的には期間に
 
関してのストレスは殆ど感じることがありません。ゲーム自体も楽しく、気軽にプレイ出来る内容になっています。
 
 このあたり、一年という期間を間延びさせずに進めている作りは上手いですね。
 
 
 また、進行上の要ともなる育成要素に関しても、非常に良い出来でした。
 
 特にパラメータの数値や能力の調整などは、優しすぎず、難しすぎずの絶妙な難易度になっていて、好感が持てました。
 
 ゲーム性も高く、ゆっくりと腰を据えてプレイするには最適なゲームですね。
 
 
 
 
 
 
 
●− Review3 ストーリー −●
 
 
 
 
 
 さて、次はストーリーです。
 
 
 ストーリーに関しても、矢張り良い感じでまとまっています。抜き出た展開がない変わりに、落ちることもないという、
 
至って平均的な展開で、まあ、安心してプレイできる内容だと言えます。また、キャラの魅力なども、シナリオによって、
 
上手く引き出されているのは良いですね。
 
 更に、ゲーム中に発生するイベントに関しても、全体を通して均等に配布されている点は、シナリオを間延びさせないと
 
言う意味も含め、上手く働いていると思われます。
 
 事実、メインキャラ達は最初から最後まで均等にイベントが頒布されていたので、プレイしていて殆ど飽きが来ません
 
でした。文章のセンスも良く、ちょっとした掛け合いなどは読んでいて非常に楽しかったです。
 
 
 ただ、あまりにもまとまりが良すぎて意外性に欠ける……悪く言えば淡々と進んでいく内容が多かったのは残念です。
 
もうひとひねり、キャラの心情など、掘り下げたところまで記述して欲しかったところですが……。
 
 良いシナリオとはいえ、終わった後の余韻が少なかったのは辛いですね。
 
 また、ところどころ、シナリオ進行……というか、繋がりと一致しない矛盾した箇所があったのも若干気になりました。
 
 
 
 
 
 
 
●− Review4 グラフィック −●
 
 
 
 
 
 さて、どう評価すれば良いのやら……CGです。
 
 
 CGは独特な絵柄……というか、ろりぃでぷに萌え系な感じですね。原画自体の完成度は高く、彩色も綺麗です。
 
大野氏の原画が好きな人には申し分ない出来と言えるでしょう。
 
 また、各キャラにおいても、多彩な表情やリアクションなどが見ていて可愛く、楽しいです。流石に擬音系まで使うとは
 
思っていませんでしたが、キャラの印象を植え付けるという面では効果的な演出ですね。
 
 ……もっとも、個人的には苦手な絵柄のため、プレイしていて辛いものがありましたが(苦笑)。 
 
 
 ただ、立ちグラなどのドットが粗いです。特に、アップで表示されたときのCGはかなり荒さが目立ち、ちょっと気になり
 
ました。また、ミニキャラのチップCGやアニメに関しては更に輪を掛けてCGが粗く、辛いものがありました。
 
 このあたりについては、もう少し気を遣って欲しかったところです。
 
 
 とはいえ、それ以外は特に気になる点もなく、十分な出来だったと思われます。
 
 あと、立ちグラの全身CG、使用箇所がオープニングだけというのも勿体ないような……。
 
 
 
 
 
 
 
●− Review5 操作性(システム) −●
 
 
 
 
 
 さて、システムです。
 
 
 基本的なシステム面は、至って快適。操作も軽く、完成度は高いと言えます。また、ゲームの規模を考えると、これだけの
 
内容で目立ったバグがなかったというのも高評価です。
 
 ただ、基礎部分が快適すぎたせいかもしれませんが、セーブ箇所の選択だけは妙に重く感じたのは残念ですね。
 
 
 しかし、細かな部分……例えばメッセージの読み返し機能がないことや、設定の保存が初期化される為、起動する度に
 
フルスクリーンに設定しなおす手間がかかるなど、細かいところではツメが甘い感じでした。
 
 
 とはいえ、それ以外の出来は申し分なく、快適な部類に入ると言えるでしょう。
 
 
 
 
 
 
 
●− Review6 音楽 −●
 
 
 
 
 
 さて、購入の決め手ともなった音楽です。
 
 
 音楽は知る人ぞ知る「OdiakeS」氏の担当。ちょっとしたことで名前を知っている立場としては懐かしいです。
 
 で、肝心の内容についても、期待に反することのない出来を見せて貰いました。今回はファンタジー系の作風がメイン
 
だったのですが、全く違和感無く、テンポ良く、単体でもしっかりと聞ける曲が多かったです。特に、場面との融合に
 
ついては、良い感じで出来ており、自然な流れになっていたと思われます。
 
 また、4曲あったVocalについても出来は良く、特にセカンドOPの「Heart of Prism」はメロディが格好良く、非常によい
 
出来で、個人的に、気に入りした。
 
 C.V.に関しても全体的に上手く、雰囲気は出ています。細かいところまで配役を割っているのも良い感じです。
 
 
 ただ、ゲーム自体が起伏の上下に欠けていたせいか、いまいち印象に残る音楽が少なかったのは残念ですね。
 
 単調というわけではないのですが、「これは!!」と思える箇所が無かったのも事実なので……。
 
 
 
 
 
 
 
●− Review7 総合評価 −●
 
 
 
 
 
 さて、結論ですが……綺麗にまとまったゲームです。
 
 
 可もなく不可もない出来……と、言ってしまえばそれまでですが、不可がないので、ゲームとしての出来は良いです。
 
 SLG部分の出来も良く、ゲームとして遊べる内容になっているので、じっくりとゲームを楽しみたい人は、購入しても
 
良いかもしれません。また、大野氏のファンであるならば、間違いなく「買い」といえるだけの出来でしょう。
 
 逆に、上の条件に当てはまらない人は、購入の前に、もう一度考えてみた方が良いかもしれません。
 
 
 ただ、個人的には大野さんの絵が苦手という、致命的欠点があったにもかかわらず、結構楽しむことが出来たので、
 
買っただけの価値はあったかな……と。
 
 
 さて、簡潔ですが、今回はこの辺で筆を置かせて貰います。
 
 それでは、縁があれば次のレビューでお会いしましょう(^^)/〜
 
 
 
2000/10/15 流 雷氷
 
 
 
 
 
Post,Script,
 
練習試合の敵キャラ……なんとなくネタがヤバいような気が……(苦笑)。
 
 
 
 
 
< ゲーム動作環境 >
 
 
 
 
 
OS=日本語版Windows95/98/日本語版が動作する環境
 
CPU=Pentium166MHz(推奨Pentium200MHz)以上
 
メモリ=32MB(推奨64MB)以上
 
HDD=空き容量300MB(推奨1GB)以上
 
解像度=640×480:ハイカラ−表示(推奨フルカラ−)が可能であること
 
CD−ROM=4倍速(推奨8倍速)以上
 
音源=CD-DA、PCM
 
DirectX=未使用
 
 
 
(一部パッケ−ジより抜粋)
 
 
 
 
 
< 補足 >
 
 
 
 
 
原画:大野哲也」
 
シナリオ:和泉時彦」
 
音楽:OdiakeS」
 
音声:有り(Full) アニメ:一部有り」
 
価格:8800(初回版は9800)円」
 
初回特典:懐中時計」
 
年齢制限:18禁」
 
 
(順不同、敬称略)
 
 
 
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< 評  価 >
 
 
 
『プリズム・ハート』
 
 
 
メ−カ−   ぱじゃまソフト
 
ジャンル       BRG
 
 
 
ゲ−ム性        10点
 
スト−リ−         9点
 
グラフィック          8点
 
操作性           9点
 
音楽             9点
 
 
 
合計 45点
 
 
 
 
 
<評価概要>
 
 
 
 
 
ゲームとして成立しており、楽しい。絶妙なバランスや基礎完成度の高さは見事と言える。
 
綺麗にまとまっていて、気楽にプレイできる。しかし、まとまりが良すぎて平凡な印象もあるのは残念。
 
好みが分かれるが、CGとしての完成度は高い。ただ、立ちグラ等に関しては画面処理の荒さが気になった。
 
非常に快適で、ゲームテンポの良さに一役買っている。難を言えば、セーブのレスポンスが引っ掛かるぐらいか。
 
個々の完成度が高く演出効果も高い。また、脇役のセリフの丁寧さなど、細かな部分での配慮も良かった。
 
 
 
(上から順に、ゲ−ム、スト−リ−、CG、操作、音楽と各1行ずつの簡易評価説明)
 
 
 
 
 
<評価用プレイ時間参考表>
 
 
 
 
 
1プレイ時間     約03時間30分
 
総プレイ時間     約11時間30分
 
 
1プレイにおけるHシ−ンの割合(時間) 約00時間15分