★★★『温泉DE卓球』★★★
はじめに注意事項です。このレビュー中には、表現の都合上、どうしてもゲーム内容のネタバレなどが含まれている
可能性があります。ゲームをプレイ中、及び未プレイの方は、ゲームを最低一度は攻略(エンディングまで到達) した
後で、このレビューを読むことをお薦めします(勿論、未プレイの方でも大丈夫なよう、ネタバレ的要素は極力排除
しているつもりですが……)。……以上の件、何卒ご理解ご了承下さい。
なお、本レビューはゲームの内容やボリュームを考慮し簡易形式とさせて頂きます。
あ〜、温泉で卓球ですね<まんまじゃん
まず最初に……環境に不安がある人(メーカー推奨外のビデオボードユーザー)は購入しない方が無難です。マジで。
私もある程度結末を予想しつつ購入しましたが、当初のVerでは私の環境(Voodoo Banshee)で動きませんでした(笑)。
幸いというかそれが当たり前というか、Ver1.10で3dfx社のボードに暫定対応して以降は無事に動作しましたが、正直な話、
この極端な動作限定は勘弁して欲しいです。いや、冗談抜きでかなり切実ですよ、これは。
VRAM8Mを要求すること自体はそれなりに理解できるのですが、動作保証するビデオボードさえも限定するということは、かなり
傲慢な姿勢と受け止められても文句は言えないのではないでしょうか。このあたり、もう少し考慮してくれると嬉しいのですが……。
このご時世、一昔前の環境で頑張っている人も結構いるんですけどねえ……。
それでは、個々の見解へと行ってみましょう。
さてさて、ゲームタイトルにある通り「卓球」がゲームの中心となる本作ですが……。
意外というか流石というか、肝心の卓球部分の出来は非常に良いです。
カンコンと言う小気味よい効果音は本当にラリーをしているような気分にもなれますし、なによりプレイしていて楽しいです。
本格的……というのも妙な話ですが、卓球ゲームとしては非常に完成度が高いですね。結構反射神経を要求されますし(^^;
元々凝ったゲームを作ることで定評があるブルームさんの作品らしい仕上がりになっていると思われます。独自性と言うヤツですか。
それを支持するしないは別としても、当たり前のゲームを当たり前に出すよりは、多少のリスクを負っても独自性のあるゲームを出す
姿勢は個人的に評価したいです。……まあ、流石に退廃的学園ラブコメは止めて欲しかったですが(苦笑)。
演出に関してもVRAM8Mを要求するだけあり、技術の無駄遣い大爆発な出来な印象を持たせつつも、さり気なく高レベルな
演出が表現されています。直接視覚的にはそれほどのインパクトが無いのが残念ですが、ああいうD3Dの使い方は好きですね。
ま、正直な話、ここまでしなくても……という気がしないでもないのですが。
あと、難易度に関してはノーマルモードでも最後の方は結構辛かったですし、Hardモード以降でも専用のCGが用意されている
ぐらいなので、もう少し低く設定しても良いという印象を持ちましたね。
まあ、基本的には説明書まんまな展開(その説明も随分無愛想でしたが)……というか、説明書を読まないと理解できない
ぐらいなので、ストーリー自体はあってないようなものでしょう。あ、要約すると温泉旅行で片思いの彼女と同室になる権利を
めぐってライバル(註:女の子)と卓球勝負するという内容です。期待するような内容ではないですね(^^;
とはいえ肝心のキャラ自体は相変わらず魅力的。ついでに栄夢さんの独特な雰囲気も健在してます。
ちょっとした文章の言い回しなどは流石……ですかねえ(苦笑)。個人的には好きなのですが。
ストーリーに関しては実際問題これぐらいですが、シンプルながらもキャラが立っていましたし、まあこんなものかな、と。
まず最初にお断りしておきます。私、新井さんの原画に対しては無条件で誉める(好きな絵描きさん)のであまり
当てになりません(笑)。というわけで、基本的な部分については省略します。
本作は、イベントCGに関しては基本的に立ちグラは存在せず、フルCGがメインとなります。
そのかわり、通常イベントの一部をマンガ形式……簡単に言うとマンガの一ページをスライドさせて表示させるという一風
変わった表示形式を取っています。
この手法は基本的に非彩色の一枚絵のみで成立しているので、手抜きといってしまえばそれまでですが、通常シーンをマンガ風に
演出にすることにより今までにない視覚的な動き……要はマンガらしさ……が上手く出ていて個人的には楽しめました。
ただ、ゲームの規模からも想像できるように、CG枚数は少ないです。一枚一枚の出来が良いだけに、もう少し多くのCGを見た
かったところでもありますが……。あと、余談ですが、コミック部分の演出(CG)が不鮮明なのは仕様? それとも環境依存?
基礎環境の高さと極端な動作限定が足を引っ張っていますが、基本的な部分は使い勝手がよかったです。
本作はテンキー及びキーボードOnlyのプレイなのですが、ゲームをプレイするに至っては不満を感じることは無かったですね。
ただ、気になったのがセーブ関連。それなりに長い時間のプレイ&上級モードほど辛い展開になるにも関わらず、救済措置と
なるセーブ機能がついていなかったのは大きなマイナス要因ですね。
ってうか、なんで無いの? ……いくらミニゲームでもプレイ時間が長くなると集中力が欠けてくるんですけどねえ。冗談抜きでこれ
だけは納得行かなかったです。
まあ、その他に関しては大きな不満点は無いのですが、個人的にはプレイヤー側にも必殺技が欲しかったり、得点欄は逆にして
欲しかったりと些細な要望はありました。とはいえ、あまり多くを求めるのは酷なので、とりあえず見解はこのあたりで打ち止めを。
さて、音楽に関してですが……効果音がしっかりしていた反面、残念ながら取りたてて印象に残った曲は無かったですね。
卓球モードの曲などは、ほのぼのしていて良かったのですが、個人的にはもう少しノリのある曲があっても良かったと思われます。
ただ、Voiceに関しては非常に良い感じでした。本作は完全フルボイス形式でしたが、声優さんの演技力も高く、どのキャラも
違和感を持つこと無く聞けました。あと、こういうお手軽ゲーム……主人公の主張が薄いゲームに限っては主人公のボイスも
なかなか悪くないなあ、と思いましたね。……音楽に関しては以上です。
いや、なんだかんだで楽しかったです。卓球部分の出来や内容に関しては満足しましたし、ちょっとしたミニゲームとして考えると
かなり高い域で完成している作品と言えるでしょう。
ただ、とにかく環境依存が激しいゲームなので、低環境の人には辛いかなあ、と。
エロに関しては申し訳程度に用意されているものの、内容が内容だけに多くは望めませんね。原画人のいちファンとしても
この部分は辛かったです。
あと、価格に関してももう少し考えて欲しかったですね。一般的なソフトよりは安いものの、この内容ではまだまだ割高感を抱いて
しまいました。実売価格5000円前後のゲームを暇つぶしに回す余裕がある人や、ちょっとしたミニゲームが好きな人、卓球気分を
味わいたい人は購入してみても面白いと思いますが、逆にエロゲーとして期待する面は殆ど無いので、エロゲーとして買うぶんには
ちょっと辛い内容かと思われます。新井さんが描くキャラの魅力は十分に伝わってくるのですが……。
ただ、評価以前に、本当にユーザーに対してソフトを売るつもりがあるのかが疑問ですね。
というか、本来このように動作環境を極端に限定してしまうと、買えない人が多くなるんですよ。当たり前の話ですが。
ゲームをやってみたくても、自分の環境だと動かない……これで敬遠している人が少なからずいるはずです。
折角のゲームも動かなければ意味がありませんし……動作環境を限定すればするほどプレイヤーの層も限定されること
は当然であり、結果として自らの首を絞めていることが分かっているはずなのですが、不思議なものですねえ。
まあ、このあたりはユーザーに媚びない姿勢と考えるか怠慢と考えるかで見解と評価が変わってくるのですが……。
さて、それでは今回はこの辺で。
縁があれば次のレビューでお会いしましょう(^^)/〜
OS=日本語版Windows98/日本語版が動作する環境(Ver1.30ではWin2000対応)
CPU=MMXPentium233MHz以上
メモリ=64MB以上
HDD=容量非公開(推定350MB)以上
解像度=640×480:ハイカラ−表示が可能であること(RIVA-INT or G200 or RAGE FURY等を推奨)
CD−ROM=4倍速以上
音源=PCM(Directsound対応)
DirectX=Ver7以降
追記:以上の条件を満たしていない場合は動作保証外(なお、VoodooはVer1.30で対応済み)
「原画:新井和崎」
「シナリオ:栄夢」
「音楽(音響):ダックスインターナショナル」
「音声:有り(Full) アニメ:一部有り 」
「価格:6800円」
「初回特典:無し」
「年齢制限:18禁」