Ver 1.00
 
 
 
Nagale's ゲームレビュー
 
 
 
 
 
 
 
★★★『Natural2 -DUO-』★★★
 
 
 
 
 
 
 
■■■■■■■  README  ■■■■■■■
 
 
 
はじめに注意事項です。このレビュー中には、ゲーム内容のネタバレなどが含まれている可能性があります。
 
 ゲームをプレイ中、及び未プレイの方は、ゲームを最低一度は攻略(エンディングまで到達) した後で、このレビューを読む
 
ことをお薦めします(勿論、未プレイの方でも大丈夫なように、ネタバレ的要素は極力排除しているつもりですが……)。
 
 
 
 
@@@@@@@  ネタバレ注意  @@@@@@@
 
 
 
 
 
 
 
●− Review  序章 −●
 
 
 
 
 
 2作目ってのはどうしても前作のイメージを引きずるんだよなあ……。
 
 
 Natural2の制作発表があった1999年11月上旬。私はそんなことを考えながら、Natural2の紹介記事を眺めていました。
 
 そもそも、何故そんなことを考えるのかと言えば……、正直な話、変わってしまった原画家さんの絵に違和感を抱いて
 
しまったからです。
 
 
 実は私が前作を購入した一番の理由は、前作の原画人「たもりただぢ」さんの絵に一目惚れしたというものでした。
 
 事実、特に「お兄ちゃん」属性も無く、更に調教ゲーム系が苦手な私にとっては(ヤリたい放題に興味を引かれたのは
 
認めるけど(苦笑))、彼の絵は非常に大きなウエイトを占めていた訳です。
 
 勿論、今回原画を担当される針玉さんの絵をよく見ないうちからあれこれと言うつもりはありませんでしたが、それほど
 
までに「Natural=たもりさん」と言うイメージが私の中では定着していたのです。
 
 
 というわけで、それほど多くを期待せずに、本作を購入した訳ですが……閑話休題。
 
 
 
 
 
 
 
●− Review1  全体の印象 −●
 
 
 
 
 
 ……う〜ん、これはこれでいいんですけどねえ。
 
 
 いや、実際久しぶりにエロゲーらしいエロゲーをプレイさせて貰いました。やっぱり基本的に初っ端から双方が合意して
 
いるというのはいいですね。で、そのまま深いところまで突っ込んで行けるところはなかなか(苦笑)。
 
 なんていうか……、やっぱり可愛い娘にヤリたい放題っていうシュチエーションはそそるものが……ゴホごほゴホッ(^^;
 
 
 そ、それはそれとして……ADVが楽しめて更にHシーンも多い。これは出来そうでなかなか出来ないことです。
 
こういう部分は素直に評価できます。この辺りの両立が如何に難しいことかは、わたしなりに理解しているつもりなので……。
 
 まあ、前作の流れを受け継いで……という点で考えれば、本作は充分な内容だったと思われます。
 
 
 ……でも、実は前作の私的評価(レビュー)って何気に低いんですよねえ……。
 
 その割には結構楽しんだ筈なんだけど……俺(苦笑)。
 
 
 
 
 
 
 
●− Review2 ゲーム性  −●
 
 
 
 
 
 さて、……第一関門、ゲーム関連です。
 
 
 基本的にはADV+SLGの形で進行していきます。ただ、恋愛パートとなるADV部分が中心なので、雰囲気としては
 
ADV色が強いです。そして調教……もとい、夜伽(笑)に関してはSLG的な要素……育成系のノリで進んでいきます。
 
 勿論、内容自体は流石。同じキャラで純愛、鬼畜なんでも有りな展開になっているのに、ゲームが崩壊することなく
 
まとまっている……。この辺りの書き分けは上手いですね。昔はこういうギャップの差に戸惑うこともありましたが、
 
改めて見解してみるとなかなか良い演出方法ですね。
 
 実際、Natural2は人それぞれの好みに合わせてゲームを進めることが出来るのもひとつの売りであるわけで……。
 
 純愛で行きたい人はそのままに。シバきたい人(笑)は、なすがままに鬼畜方向に……。これらの自由度の高さに関して
 
は申し分が無かったです。
 
 また、キャラの行動についても、最初はぎこちなくも、回数を重ねていくことによって色々なプレイが……という
 
見せ方は良いですね。ああいう展開は、個人的には好きです、はい(苦笑)。
 
 
 ただ今回、妙な違和感がありました。というのも、今一キャラの印象が薄いです……。キャラ自体の魅力はそこそこに
 
あるものの、設定に準じた展開を無難にこなしている要素が多く見受けられたのは残念でした。
 
 ……実際、強く印象に残るキャラが少ないんですよ。全体を通して淡々と進んでいく……という感じがあり、もう一歩
 
印象を植え付ける押しが欲しかったというのが本音です。
 
 
 事実、結果としてキャラの魅せ方が甘く感じてしまいました。差し障りのない展開で進んでいく為か、個々のキャラと
 
して、今一印象に残らない感がありました。この辺り、もう少し場を盛り上げる演出が欲しかったかな、と。
 
 
 あと、難易度に関しては、クリアする分には問題がないものの、エンディングの数や分岐に関してはシビアな要素を
 
含む傾向があるらしく、全体的に見るとやや高めの印象を受けました。
 
 
 
 
 
 
 
●− Review3 ストーリー −●
 
 
 
 
 
 さて、お次はストーリーです。
 
 
 選択次第では鬼畜な展開になるとはいえ。基本的にはほのぼの調に進行していきます。特に純愛系はプレイしていて
 
気分が和んでいく感じがあり、良いですね。
 
 ただ、展開に関しては主人公の過去の描写やヒロインの過去の表記が今一甘い感を受けました。勿論ある程度の経緯は
 
説明されていきますが、これがヒロイン達のトラウマに……という印象を植え付けるにはもう少しはっきりとした動機や
 
シーンが欲しかったところです。せめてプレイヤーにはマニュアル等である程度の情報を先に与えて置いて欲しかった……
 
というか、状況を把握した上で話を進めて欲しかったです。
 
 
 更に、先に述べたように、キャラの印象の薄さも手伝い、ストーリーに関してもツメが甘く感じました。
 
 勿論、魅せ場といえる箇所も多く、後半部分の心情変化などは良い出来でしたが、しかしそれでも終わってみると
 
それほど印象に残らないといった雰囲気がありました。
 
 
 また、今回サブキャラに関しても立場やイベントがかなり充実されています。ただ、これは疑問ですね。本来この手の
 
ゲームはヒロインに多くのウェイトを置くことが必要なはずです。サブキャラにウェイトを置くのであれば(もし、置くに
 
しても人数は絞った方が良かったと思われる)、もう少しメイン2人のシナリオを充実させて欲しかったところです。
 
 
 で、ある意味で肝心のHシーンは多少あっさりしている感を受けるものの、本編中の数の多さを考えると、逆にこの
 
方が良い印象を受けました。場面ごとに気合いを入れて作るのもいいと思いますが、数が多いと流石に飽きてきます。
 
 そういう面を考慮すると、今回の選択に関しては、元々シュチエーションの数が多いゲームなのでHの数をこなすと
 
いう面では妥当と言えるでしょう。
 
 
 ただ、全く予期していない(眼中にない)エンディングに飛ばされたことがあったのはちょっと驚きましたが……。
 
 理由は不明ですが、プレイしていて違和感があったことを付け加えておきましょう。
 
 
 
 
 
 
 
●− Review4 グラフィック −●
 
 
 
 
 
 さて、ああだこうだと言っていたグラフィック関連ですが……。
 
 
 ひとつのゲームとして見た場合、原画に関しては十分な出来と言えます。立ちグラ、フルCG共に良い感じでした。
 
 また、最初はあまり印象が無かったのですが、アダルトな部分は以外に艶っぽく描かれていたのも以外かつ好印象かな。
 
 構図の違和感については多少感じる部分はあったものの、この規模の内容で考えると全然許容範囲ですね。
 
 
 絵柄の作風に関しては多少癖のある印象を受けますが、好き嫌い云々というほどの癖ではありません。
 
 それでも……主観的に見れば私の好みからはちょっと外れた絵柄なんですけどね。
 
 
 彩色に関しても、ちょっと薄目な塗りながらも堅実に描かれてました。ただ、CGが薄目というのはここのメーカーさんに
 
してはちょっと珍しいですね。
 
 雰囲気としては悪くなかったものの、CGとして鑑賞する分にはもう少し鮮やかさがあっても良かったと思われます。
 
 
 それでも……個人的に違和感を持ってしまったと感じるところは、なんとも理不尽な話ですが……。
 
 
 
 
 
 
 
●− Review5 操作性(システム) −●
 
 
 
 
 
 さて、親会社が同じなのにメーカーによってこうも違うのはどうして……なシステムです。
 
 
 まあ、これは流石です。使い勝手は良好かつ細かい部分もしっかりとカバーしてあり、単体で見た場合は申し分あり
 
ません。特にクイックセーブ&ロードはいつもながら重宝するシステムです。
 
 
 ……ただ、重いです。私の環境のせいもあるとは思いますが、それでも重いです。いくら時代はハイスペックとは言え、
 
基本的に複雑な操作を必要としないADV系のゲームに置いて、システムを呼び出すときの重さが目立つのは致命的です。
 
 ……マジでゲームが軽くてシステムが重いのは困ります(苦笑)。
 
 テンポよく進む内容ということを考えると、このシステムは辛いですね。もう少し動作改善を望みたいところです。
 
 
 あと、これは余談ですが……F&Cのゲームって、マニュアルがしっかり作ってあっていいんですよね〜。
 
 ……この辺だけは今も昔も変わらないんですけどね(苦笑)。
 
 
 
 
 
 
 
●− Review6 音楽 −●
 
 
 
 
 
 いつものように、純粋な音楽としての出来は良いです。これは(C)DOORSさんの手腕の賜物でしょう。
 
勿論C.V.やVocalに関しても同様のことが言えます。
 
 ただ、ここまでレヴェルが上がってしまうと、普通すぎてつまらなく感じてしまうのが最大の欠点です。
 
 ここまで来ているのであれば、1〜2曲で良いので、何か「ぐっ」と印象に残る曲が欲しいというのがありますね。
 
まあ、ある意味でこれは贅沢すぎる望みなのでしょうが……。
 
 というわけで、音楽に関しては及第点以上、最高未満というのが結論です。
 
 
 あ、あと余談ですが、音楽モード19曲目のバイオリン(俗に言う生音)はちょっと辛いかな……。
 
 パソコンGMの機械的音色に慣れきっている私には違和感バリバリに感じました(苦笑)。
 
 
 
 
 
 
 
●− Review7 総合評価 −●
 
 
 
 
 
 まあ、いつものようにブツブツと言っていますが、普通にプレイする分には全然問題ないです。
 
 純粋に恋愛ADVをしたい人も、Hシーンを求める人も、買って後悔するようなことはないでしょう。
 
 ただ、個々(ADV と HシーンのどちらかOnly)を重点的にやる方がいい……という人にはちょっと向いてないかも
 
しれません。まあ、この辺りはあまり気にする要素ではありませんが……。
 
 
 また、前作−Natural−の流れを汲んだ作り……継承という点から考えると、前作のファンが失望することは無いと
 
思いますし、私もそう思いました。今回の作品は全体的に洗練され、棘を抜いて丸くした感じになりましたね。
 
 ……もっとも、私は安定より冒険を好む傾向にあるので、多少棘のある方が好きなのですが……(苦笑)。
 
 
 元々F&Cは万人受けする良作をテンポよく作る傾向があるメーカーです。
 
 今回、Natural2もこれに沿った内容のゲームでした。正直、このレヴェルを魅せてくれれば充分です。最近、多少評価が
 
下がっていただけに、こういう面では久しぶりに見直したかな、と。
 
 ……もっとも、昔を考えると、本作が丁度標準レヴェルの内容です。今後はこのレヴェルの作品をコンスタントに提供
 
していくことが重要でしょう……。それが、今後の展開にも繋がることでしょうし……。
 
 
 それでは、今回はこの辺で筆を置かせて貰います。
 
 縁があれば、次のレビューでお会いしましょう(^^)/〜
 
 
 
2000/06/19 流 雷氷
 
 
 
 
 
Post,Script,
 
やっぱり鬼畜系シナリオには入れなかった〜(苦笑)。
 
 
 
 
 
< ゲーム動作環境 >
 
 
 
 
 
OS=日本語版Windows95(SP1以降)/98/2000/NT(SP3以降)日本語版が動作する環境
 
CPU=Pentium166MHz(推奨PentiumII-266MHz)以上
 
メモリ=空き32MB(推奨64MB)以上
 
HDD=空き容量850MB(推奨1.5GB)以上
 
解像度=640×480:ハイカラ−表示が可能であること
 
CD−ROM=4倍速(推奨8倍速)以上
 
音源=CD-DA、MIDI、PCM
 
DirectX=Ver3以降
 
 
 
(一部パッケ−ジより抜粋)
 
 
 
 
 
< 補足 >
 
 
 
 
 
原画:針玉ヒロキ」
 
シナリオ:宮村優、素浪人」
 
音楽:(C)DOORS」
 
音声:有り(Full) アニメ:一部分のみ有り」
 
価格:8800円」
 
初回特典:有り(携帯ストラップ)」
 
年齢制限:18禁」
 
 
(順不同、敬称略)
 
 
 
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 
 
 
 
 
< 評  価 >
 
 
 
『Natural2 -DUO-』
 
 
 
メ−カ−   フェアリーテール
 
ジャンル   ADV+SLG 
 
 
 
ゲ−ム性         9点
 
スト−リ−        9点
 
グラフィック          9点
 
操作性           9点
 
音楽             9点
 
 
 
合計 45点
 
 
 
 
 
<評価概要>
 
 
 
 
 
基本的にはほのぼの系で良い感じ。また、ゲームとエロの両立と言う点で考えると良い感じだった。
 
内容は良い。ただ、全体的に説明不足な感を受けた。その為、物語の中に溶け込むことが出来なかった。
 
原画、彩色共に良かった。ただ、場面場面で構図の違和感が目立つこともあった。
 
基本的なシステムの完成度は流石。ただ、重い。ゲーム以前にストレスが溜まってしまう。
 
及第点。それ以上でもなければそれ以下でもない。C.V.やVocalについても同様。
 
 
(上から順に、ゲ−ム、スト−リ−、CG、操作、音楽と各1行ずつの簡易評価説明)
 
 
 
 
 
<評価用プレイ時間参考表>
 
 
 
 
 
1プレイ時間     約03時間00分
 
総プレイ時間     約11時間30分
 
 
1プレイにおけるHシ−ンの割合(時間) 約01時間00分