Ver 1.02
 
Nagale ゲ−ムレビュ−
 
 
 
 
 
★★★『Kanon』★★★
 
 
 
 
 
■■■■■ 始めに……注意事項 ■■■■■
 
 
このレビュ−には、ゲ−ム中のネタバレ等が多数含まれています(極力抑えてはいま
 
すが)。ゲ−ムをプレイ中及び未プレイの方は、ゲ−ムを完全に(最低一度は)攻略し
 
た後に読むことをお薦めします。それでは、どうぞご覧下さい。
 
 
 
@@@@@@@ ネタバレ注意 @@@@@@@
 
 
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テ−マは思い出、これで感動を生みます
 
 
 「わたしたちはこの作品で、グラフィック、シナリオ、音楽というゲ−ムの三大要素を融合させ、ひとつのものとして
 
ユ−ザ−の心に感動を与えるようなものを作っていこうと思っているんですよ」
 
 
月刊E−LOGIN((c)アスペクト) 1998年11月号より抜粋
 
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 「Tactics」が分裂し、新たに設立されたブランド「Key」その第一作目のソフトの制作発表……タイトルは
 
「Kanon」。
 
 これは……昨年(98年)の秋、Web上を疾風の如く駆けめぐった話題……。
 
 普段の私であればソフトハウスの分裂騒動など、殆ど気に止めることはなかったのですが、流石に今回の一件は私にも
 
少なからずの衝撃を与えた事件でした。
 
 その後、「あのソフト」を作った人達が設立したソフトハウスということで、発売前にも関わらず、各方面から多大な
 
期待が寄せられていました。
 
 そんな中、Kanon制作スタッフのひとつの発言……
 
 
 
「ユ−ザ−に感動を与える作品を」
 
 
 
 はたして、この言葉に偽りのないゲ−ムだったのでしょうかねえ……閑話休題。
 
 
 
 
 
 
 
その1.全体印象
 
 
 
 
 
 充分……ですね。ここまでのレヴェルでやってくれれば。
 
 泣きのシナリオだと身構えていても、しっかりと魅せてくれる。これだけのことが出来るのは凄いことです。実際、
 
身構えていた私も真琴シナリオで泣いちゃいました。ヴェ−ルを被っているCGの当たりでもう限界だったかな。んで、
 
プリクラのCGで……っていう感じかな。ゲ−ムで泣いたのはマルチ以来ですね。嬉しいような悲しいような……。
 
ところで、一時話題になっていた「アルジャ−ノンに花束を」って何ですか?(←お馬鹿さん(^^;; )
 
 
 ただ、同じ泣くにしても、今回の涙は「感動」ではなく「悲しみ」の涙だったです。そういう面では、感動させる
 
といった論点からは外れてますねえ。……流石は俺、どこかひねくれているなあ(笑)。実際、どのシナリオもいいん
 
ですけどね。ただ、それで感動したかと聞かれると……う〜ん……?
 
 
 
 
 
 
 
その2.スト−リ−性
 
 
 
 
 
 さて、私が自爆してしまったシナリオの方は……。
 
 肝心のシナリオは相変わらず不可解ですね。まあ、あまり深々と書かれても興醒めする気もしますが……後半の
 
インパクトが強いせいもあるのかもしれないけれど……。
 
 つまりシナリオの不可解な部分はわたしたちで考えてくれということかなあ? う〜ん? 微妙に納得がいかないです。
 
 真琴シナリオのEDとかではこういう手法もありだと思われますが、攻略する女の子の順番によっては不可解な
 
場面が出来てしまいますね。
 
 そして、もうひとつ、メインヒロインは誰? あゆ? 名雪? 今一つ分からない。
 
 まあ、他の誰がヒロインになってもそう感じるのかもしれないんだけど……それにしても謎。私としては名雪が一応の
 
ヒロイン系とは認識していますが。
 
 キャラの性格的には名雪が一番だと思います。世間一般的なヒロインの条件も兼ね揃えているし。
 
 まあ、そもそもヒロインを無理に作ることはないのですが、ヒロインを軸にして動かした
 
方がゲ−ムが分かりやすくなります。Kanonは、それぞれの女の子同士のつながりが
 
希薄だったせいか、ヒロインの認識に悩んだという印象が強いです。
 
 
 あと、相変わらずちょっとブラックジョ−クの入ったコメディ調のノリは健在。物語の雰囲気を出すのに一役買って
 
いますね。あのセンス、見習いたいなあ(笑)。この辺は高く評価したいです。
 
 
 
 
 
 
 
その3.グラフィック
 
 
 
 
 
 んで、これがネックのCG(原画)……。
 
 絵はかなり良くなりました。ただ、私の評価的には1点の加算が限界です。未だに違和感バリバリの作画が目立ちます。
 
基本的なことだけど、顔がゆがんでいるのはいただけないです……ね。いや、
 
これが味というものなのか?
 
 あ、後あまりフォロ−になってないけど背景は凄くいいです。これは自信を持って言えます(苦笑)。
 
 
 それでも以前の作品と比べると、かなり良くなっているし、ぐっと来たCGもあるんだけど……。どっちかといえば
 
顔のアップじゃないCGばかり……って、これは私の趣味か(笑)。
 
 ついでにひとつ。名雪の立ち寝の顔は詐欺(笑)。可愛い。これは紛れもない事実です(笑)。
 
 
 
 
 
 
 
その4.音楽
 
 
 
 
 
 さて、話題の人の制作、音楽です。
 
 正直言って音楽は最高。初めてゲ−ム起動したときにタイトル画面の曲で震えが来たのは久しぶり。
 
これだけでゲ−ムの雰囲気が伝わってきました。そして歌、OPの主題歌は多分今年のNagale君主催、年末恒例
 
ゲ−ムVocal部門のトップになるかも……非常に雰囲気のある曲でした。贅沢を言えばもう少し歌が上手ければ良
 
かったのですが。
 
 全体的に見て非常にレヴェルが高く、雰囲気のある曲が多かったです。折戸さんとOdiakesさんの手腕が
 
生きてます。
 
 そういえば、この効果音(雪を踏む音や廊下を走る音)は手作りでしたね。お疲れさまです。どうせなら
 
目覚まし時計の効果音も手作りに……(爆)。
 
 
 
 
 
 
 
総  評
 
 
 
 
 
 普通のゲ−ムとして、そして感動を求めるゲ−ムとして、充分な出来です。
 
 
 (ただ、あえて「ONE」と比較をするならば……「Kanon」は「ONE」を越えたかといえば……答えはNO
 
みさき先輩や茜ほどの「感動」は無かった。それに「Kanon」は感動じゃなくて、悲しさの方が強かった。制作者
 
の言う「感動を与える」という視点から考えると、ONEを越えることは出来なかったと思う)
 
 
 勿論、ひとつのゲ−ムとしてはかなりレヴェルが高いことは言うまでもありません。感動もしたし、そしてなにより
 
マルチ以来の涙だったし……。
 
 
 
 
 
1999/06/15 流 雷氷委員長
 
 
 
 
 
Post,Script,
 
一番気に入ったキャラが秋子さん……っていったら怒りますか?(爆)
 
 
 
 
 
 
 
<ゲ−ム動作環境>
 
 
 
 
 
OS=Windows95/98日本語版が正常に動作する環境。
 
マシン=PC−9821シリ−ズ及びPC/AT−100%互換機
 
CPU=Pentium75MHz以上(推奨166MHz以上)
 
解像度=640×480:6万色表示が可能であること。(推奨フルカラ−)
 
メモリ=16MB以上(推奨48MB以上)
 
HDD=空き容量250MB以上
 
2倍速以上のCD−ROMドライブ(推奨4倍速以上)
 
 
 
 
 
「補足」
 
 
 
「原画=樋上いたる」 「シナリオ=麻枝 准、久弥直樹」
 
「音楽=折戸伸治 with KEY、Odiakes」
 
「音声=無し アニメ=無し」 「価格 8800円」
 
「初回特典=GMアレンジCD(初回通常版はマウスパット付属)」
 
「18禁」
 
 
(敬称略)
 
< 評  価 >
 
 
「Kanon」
 
 
メ−カ−     Key
 
ジャンル      ADV
 
 
ゲ−ム性      9点
 
スト−リ−性    9点
 
グラフィック     7点
 
操作性       10点
 
音楽        10点
 
 
合計   45点
 
 
 
 
<評価概要>
 
 
 
取っつきや雰囲気はかなり良くなった。ただ、ヒロインの立場に疑問を感じた。
 
理不尽なところは沢山あるが、それを覆す終盤の展開は凄い。いつもながら泣ける話。
 
某作品よりは確実に作画が良くなった。が……まだ違和感がある。背景は綺麗。
 
快適で使いやすい。スタ−トアップに登録されないのは難点だが許容範囲。
 
申し分無し。ゲ−ム全体との雰囲気の調和は見事。流石は折戸さん。
 
 
(上から順に、ゲ−ム、スト−リ−、CG、操作、音楽と各1行づつの評価簡易説明)
 
 
 
<評価用プレイ時間参考表>
 
 
1プレイ時間     約04時間30分
 
総プレイ時間     約18時間00分
 
 
1プレイでのHシ−ンの割合(時間)     約00時間00分〜00時間05分