Ver 1.00
Nagale's ゲ−ムレビュ−
★★★『いちょうの舞う頃』★★★
〜Autumn Colors〜
−序章−
つい先日、いつものようにパソゲ−雑誌を読みながら、定番の台詞が頭の中をうろうろしていました。ま、その台詞とは
いうまでもありませんが……
【何か面白いゲ−ム無いかなあ】
というものでした。
ここ最近、どうも生活が退廃的になり気味だったNagaleは、そんなことを考えながらペ−ジをめくっていました。
すると、ひとつの作品が目の中に飛び込んできました。
目についたのはCGの黄色さ(笑)。やけに黄色いんです。そりゃもう不気味なぐらい(笑)。その作品を調べてみると
新規メ−カ−の出すゲ−ムだということでした。現状では全体的な評価も出されていない状態でしたが、不覚にもCGの黄色さに
目を引かれてしまってからというもの、気になって仕方がありません(苦笑)。
結局諦めて、私としては珍しくも衝動買いをしてしまった訳なんですが…閑話休題。
今回はどういう訳かゲ−ムを始める前からちょっとしたトラブルに巻き込まれてしまいました。まず……CDが取り出しづらい(笑)。
すっごく物騒なケ−スにCDが入っているので無茶苦茶出しづらいんですよ(笑)。取り出すのに5分近く唸ってました。
実はただ単に真ん中を押しながら取ればいいだけだったんですけどね。扱ったことがないタイプのケ−スだったので、
気付くまでが大変でした(笑)。
あと、今回はCD2枚組だったんですけど…2枚組にする意味ってあります? 1枚がインスト−ルディスクで、終わったら
ゲ−ムでは必要ない(アンインストでは必要になるのかな)ってのはどうかなあ。別に1枚に全部入れてもいいと思いました。
あともうひとつ、マニュアルが折れてました。いろいろと中に詰め込みすぎじゃないでしょうか。わざわざパッケ−ジに
合わせた小さなマウスパットも、絵柄的にはともかく使い勝手が無いですね。いろいろと特典をつけようと頑張っている気持ちは
とても嬉しいのですが、それならもう少し箱を大きくしてくれると非常に助かったのですが……
さて、それではゲ−ムの方の感想にいってみますか。
うん、上手くまとまっていますね。悪くないです。ただ、それだけですが…やっぱり普通のゲ−ムですね。展開も悪くなく、
不満があるわけじゃないのですが、特筆すべき点もありませんね。……こういったノベル形式のゲ−ムは近年急激に
市場を拡大してきました。最近もその勢いは拡大傾向にあります。それはそれでいいのですが…矢張りパソコン業界の本家(笑)
を抜くことは難しいですね。あ、別にシナリオが悪い訳じゃないです。今回気になったのは文字の大きさとテキストの展開の悪さ。
確かに大きすぎる文字は邪魔に感じるときもありますが、小さければ小さいで見づらいんですよね。キャラに文字が
掛からないように工夫をしたら小さくなった…というのなら分かりますが、そうじゃないのなら別に文字を小さくしなくても
良かったのでは……
あと、よくある話ですが、場合によっては1回のクリックで画面の半分がテキストで埋まるのは非常に読みづらいです。
そのあたりも、もう少しかなあ…といった感じでした。それと幾つか平仮名の文章が続いていて読みづらいところがあったのも
引っかかりましたね。ついでに右クリック時の反応の悪さ…っていうかこれも画面をわざわざ変えることはないと
思うんですけどねえ。メッシュを入れる程度で良かったのでは…CG切り替えのせいで反応が多少重くなっているような
感じもするのですが…
更にこの主人公…ちょっと鈍感すぎる……っていうかエロゲ−の邪なシナリオに汚れまくっている私(笑)には
逆にああいう純なヤツも新鮮でいいんですけどね。扱いづらい主人公という印象も拭えませんが、わりと感情移入は
しやすいですね。ここまで鈍感とはいかないものの、誰にでもこういう時期はあった筈ですから…
そのせいなのかはともかく、選択肢はきついのが多かったです。目立った選択肢の引っかけも無く、わりと簡単に狙った娘の
シナリオ+攻略に入れるのですが…すっごく嫌な選択肢(っていうか三角関係の定番(?))が幾つかありましたね。二人の娘に
対して目の前で「どっちの方がいい」なんて言えますか?(苦笑)私は言えません(爆)。
そういったところは、主人公の性格に反して結構シビアな選択肢が目立ちましたね。また、プレイ前の話では上級生シナリオでは
こっちが受け身の展開になるはずだったのですが、結局のところはどちらのシナリオも主人公がある程度強引に引っ張らないと
話が進まなかったです。積極性は確かに必要ですが、シナリオ別の明確な違いが感じられなかったのは惜しいです。
ただ、ゲ−ム全体の独特な雰囲気は良かったです。特にCGの塗りは多少黄色…というよりはセピア風の雰囲気ですか
……非常にいいですね。まあ、その色に引かれたのは
先述した通りですが……というのも、最近のゲ−ムはアニメ塗りの傾向が多いので…そういう塗り方も悪くないのですが、
個人的にはこっちの方が味があって好きですね。
このゲ−ム、雰囲気が凄くいいんですよ。ありがちな展開の中でも、結構新鮮に感じた場面もありました。最近の
恋愛系ゲ−ムをフランス料理に例えると、このゲ−ムは日本料理的なゲ−ムですね。風情…っていういいかたをすれば
いいのかな? 質素簡潔な感じですね。それがいい方向に出ていると思います。
音楽…なんか凄かったです(笑)色々な意味で面白かったです。特に「小人さん」なんかは爆笑しました。
白○の湖+となりのト○ロ+ディ○ニ−を混ぜたようなあやしげな雰囲気が私を爆笑の渦に巻き込んでくれました(苦笑)。
その他の曲も静かな雰囲気があって良かったです。全体的にちょっと癖がある感じもありましたけど。
でも一部のHシ−ンの曲は勘弁して(笑)…アレだと何処かの鬼畜ゲ−(爆)。
それとエンディングの歌…どうせなら英語版の歌詞も載せて欲しかったです。訳だけ書かれてもねえ…そもそも何で英語の歌
なのかなあ……。
それにしても、くどいようですがゲ−ム展開は本当に「普通」でしたね。どっかで見たことがあるようなおきまりの展開。
ただ、嫌味が殆ど無いので嫌悪感はそれほどじゃなかったです。……青春、ねえ……ま、もう私には縁のない言葉ですね。
色々な意味で(笑)。
総 評
システムに無駄が多いです。無駄な努力をしている感じがありますね。別に本家を見習っても良かったんじゃないでしょうか。
ゲ−ム自体は特に不満はないです。というか…う〜ん、表現が難しいけど…物語を楽しめた…といえばいいのかな。面白かったと
いう雰囲気でもないんですよね。つまらない訳じゃないのに…言葉が上手く合わないなあ。とにかく内容が渋かったです。
このゲ−ムはいつもと少し変わった雰囲気の恋愛ゲ−ムをやってみたい方にお薦めします。展開に上手く入り込めれば十分に
楽しめると思いますが……
1998/10/17 流 雷氷【委員長】
Post,script,
今年は新規参入メ−カ−の当たり年か? 結構レベルの高い作品を作ってくれますね。
<ゲ−ム動作環境>
OS=Win95/98が動作すること。
CPU=Pentium100Mhz以上
解像度=640×480 1677万色(フルカラ−)表示が可能であること。
メモリ=32M以上 HDD=空き容量90MB以上
CD−ROM=CD−DAの再生可能な4倍速以上のCD−ROM
PCM=WAVEファイルが再生可能なサウンドカ−ド
「補足」
「原画 わがすりあ狂介」 「音声、アニメ無し」 「ボ−カル1曲」 「18禁」 「CD2枚組」
< 評 価 >
「いちょうの舞う頃」
メ−カ− Types
ジャンル A−NOV(アドベンチャ−ノベル)
ゲ−ム性 8点
スト−リ−性 9点
グラフィック 9点
操作性 8点
音楽 10点
合計 44点
<評価概要>
無難にまとまっている。ただ、無理にノベル形式にする必要は無かったと思う。
展開は普通だがシナリオの書き方が丁寧。非常に落ち着いた物語になっている。
キャラ原画に癖はあるが好みの問題程度のレベル。背景のセピア系CGは非常に綺麗。
細かいところで無駄が多い。快適さを優先させた方が良かったのではないか。
いい意味で笑える。個人的には好き。こういう雰囲気の曲は珍しいのでは。
(上から順に、ゲ−ム、スト−リ−、CG、操作、音楽と各1行づつの評価説明)
<評価用プレイ時間参考表>
1プレイ時間 約04時間10分
総プレイ時間 約07時間20分
1プレイでのHシ−ンの割合(時間) 約00時間03分