Nagale’s ゲ−ムレビュ−(公開用)


             ★★★『雛鳥の囀Win』★★★

                        〜with 殻の中の小鳥〜

                                          Ver 1.01

         ■■■■■ 始めに……注意事項 ■■■■■


 このレビュ−には、ゲ−ム中のネタバレ等が多数含まれています(極力抑えてはいま

すが)。ゲ−ムをプレイ中及び未プレイの方は、ゲ−ムを完全に(最低一度は)攻略し

た後でこのレビュ−を読むことをお薦めします。


        @@@@@@@ ネタバレ注意 @@@@@@@


 それは、長く辛い作業の日々………


        【タフ●ンと大●胃散と目薬は何処だ〜(TT)】


 「雛鳥の囀Win」(以下雛鳥)の発売が間近に迫ったある日。意味不明な台詞を心

の中で叫びつつ、Nagaleは1人孤独な作業を進めていました。とりあえずこの作

業が終わらないと雛鳥を始めることが出来ないということもあって、自分としては結構

真面目にこの仕事に取り組んだのですが……正直、あの完成度のままで作業を終わらせ

たくは無かったというのが本音なんですけどね。結局いつもと変わらない結末が待って

いた訳で……。俺達は一体何のためにあんなに苦労をしたのかなあ……閑話休題。



             その1.全体の印象


 さて、今更な話ですが……。

 正直、これほどまでのゲ−ムだったとは……当時(DOS版時代)はまだ
Nagaleが若かった(?)こともあり、凄いゲ−ムということを漠然と感じるだけ
でしたが、年が経つにつれ、自分がそれなりに人生経験を歩んでくると、より一層シナ
リオの重みが理解できるようになってきました。

 それにしても……どうやったらこんなに凄いシナリオを書くことが出来るのでしょう

か? DOS版が発売されてから約3年。当時の感動をそのまま……いや、それ以上の

感動を見せてくれました。正直、感動も色褪せてしまい、今再プレイしてもそれほどの

感動はないだろうと考えていたNagaleにとっては嬉しい誤算でした。それととも

に、改めて栄夢氏の実力を見せつけられることになりました。



           その2.ゲ−ム性&スト−リ−性


 なにより、ゲ−ムとしての完成度と攻略性の高さは特筆ものです。殻の中の小鳥(以

下小鳥)の難易度は全体的に高くはあるものの、それはある程度の必然的要素であり、

決して苦にならない程度の出来になっています。

 また、カ−ドを使うことによる間接的な調教行為の演出は私的には凄く好きです。

 そもそも、Nagaleは基本的に調教系のゲ−ムは嫌いな部類に入ります。普段、

純愛系のゲ−ムを好むNagaleにとっては双方非合意系(俗に言う強制的SEXや

強姦系。まあ、ある程度のレヴェルであれば問題ないんだけど)のゲ−ムは自ら進んで

プレイしたいものではないのです(やっぱり「愛」がないものは……嫌ですね)。


 今更な話ですが、DOS版の「小鳥」に興味を引かれた理由が、MIDIで奏でられ

る音楽の素晴らしさと、音楽モ−ドの妙な踊り(当時、ねぎたまさんという原画人が所

属していてイラストを描いていた(と思う、多分))が印象に残ったからという珍しい

理由でした。


 ところが、半分嫌々ながらにゲ−ムを進めてみてびっくり。調教系は調教系でも、「

小鳥」は直接的行為(〜をする、といった選択肢によるゲ−ム進行)を選択するわけで

はなく、カ−ドという間接的手法を使って女の子を調教していく……これは、Naga

leが調教系ゲ−ムに対し懸念していたサディスト的な行為に対する罪悪感
を少なくしてくれました。

 それとともに、このゲ−ムの真の面白さ(結局のところ、純粋な調教ゲ−ムでは無か

ったんだけど)に気がつき、調教系のゲ−ムとしては前代未聞の評価(96年度私的ゲ

−ムランク第1位)を得ることとなりました。


 そんな経緯を得た後、「小鳥」は見事に私的ゲ−ム評価で殿堂入りを果たすまでのソ

フトになったのです。


 というわけで、ゲ−ムの内容に関しては今更な話ですね。

 特に「小鳥」に関してはWin版に関しても、当時と遜色無く、シナリオ自体は
最高の評価を与えることが出来ます。これはゲ−ムに関してもほぼ同様です。

 栄夢氏の独特な世界観(退廃的な雰囲気)を上手く使い、主人公の過去の物語やヒロ

イン達の複雑な心境が非常に洗練された形で表現されています。

 もっとも、シナリオの好き嫌いが明確に現れるのも事実ですが、雰囲気的には申し
分無いと思われます。


 後は「言葉」……ですね。このゲ−ム、言葉の使い方が上手いんです。一見、不
可思議な言葉を並べつつも、それがパズルのように上手く繋がっていく……。くどいか
もしれませんが、見事としかいいようがないです。

 実はNagaleもこのゲ−ムからは幾つかの格言を様々な日記やレビュ−等に引用

させて貰っています。それぐらい、「雛鳥」(小鳥)の「言葉」ってのは好きですね。



             その3.グラフィック


 そして、Nagaleが崇拝している最高ランクの原画人、新井氏の原画の出来も…

…いうまでもありません。

 年々完成されていく新井氏の原画のクオリティ。構図から雰囲気まで、栄夢氏の世界

観と完全に融合している様は、更にくどいですが見事としかいいようがないです。もし

も、Nagaleに絵の才能があれば、こういう画風でイラストを描きたいと思ってい

る人というだけあります(だから私的評価が高いんだけど)。……多少は私情が入って

しまいますが……でも、やっぱり最高ですよ。



               その4.音楽


 さて、これも欠かすことが出来ません。音楽です。

 小鳥の音楽に関しては最高(今回、「最高」という言葉が極端に多いのはご愛敬

ということで)。雛鳥は……充分にいいのですが……やっぱりDOS版の方が好きでし

た。今回の新規書き下ろしの曲自体の出来も悪くはないのですが、いまひとつしっくり

と来なかったというのが本音です。ただ、これはDOS版の音楽があまりにもNaga

le好みであったということもあるとは思うのですが……。

 逆に、先程も述べたように小鳥の方はいうことがありません。完璧です。特にレン
のテ−マ(白き聖女と黒の隷嬢)は聴いているだけで震えが来るぐらいに凄いです。
本当に。



                 総  評


 メイド調教ゲ−ムの原点……正にその言葉に偽りのないゲ−ムです。そして、今プレ

イしてもシステム的な古さを感じさせないところは見事です。

 99年に入り、輪を掛けて増えてきた「メイドゲ−」。既にひとつのジャンルとして

成立するほどの勢いを付けています。ただ、私的で申し訳ないのですが、未だに「殻の

中の小鳥」を越える程のメイドゲ−(特に調教系)は無いといっても言い過ぎではない

でしょう。それ程までにこのゲ−ムはインパクトを与えてくれました。

 96年度パソゲ−ランクの栄光から3年。移植&リニュ−アルという展開を経て、本

作は完成されたといっても過言ではありません。全く古さを感じさせることなく、あの

感動を再び味わうことが出来ました。本当にいいゲ−ムです。雰囲気等、人を選ぶゲ−

ムではありますが皆様も一度プレイしてみては如何でしょうか?



                   1999/09/23 流 雷氷【委員長】



Post,Script,

今回、Nagaleの諸事情により、ゲ−ム業界の色々な姿を知るべく「雛鳥の囀Wi

n」におけるゲ−ム部分のちょっとした作業に一個人の有志として参加させていただき

ました。改めて栄夢氏に厚くお礼申し上げます(この程度の発言はいいですよね? 栄

夢さん?(^^; )。



Post,Script,2

でも、あの完成度で発売するのは……(^^;;;



              <ゲ−ム動作環境>


OS=Windows95/98が完全に動作する環境

CPU=Pentium166MHz以上

メモリ=64MB以上(空きメモリ32MB以上)

HDD=空き容量300MB以上

解像度=640×480:65536色表示が可能であること

Direct Drawが高速に動作するVRAM4メガ以上のビデオボ−ド

DirectX5が正常動作する環境


                 「補足」


「原画=新井和崎」 「シナリオ=栄夢」 「音楽=Humi」

「音声=無し アニメ=無し」 「価格 9800円」

「DOS版からのリニュ−アル移植」 「PC−98x1系は基本的に動作保証外」

「18禁」


                              (順不同、敬称略)

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               <  評    価  >


                          『殻の中の小鳥』


        メ−カ−         STUDiO B−ROOM

       ジャンル         BRG(育成型SLG)

              ゲ−ム性     10点

              スト−リ−性   10点

              グラフィック   10点

              操作性       9点

              音楽       10点


                                                       合計    49点



               <評価概要>


完成されたカ−ド調教、戦略性共に一級品。千差万別の攻略法があるゲ−ム。

物語の重み、深いシナリオ。流石は栄夢氏。2度目とはいえ、この感動は健在。

完成された原画、彩色。新井さんが頑張ってくれました。良かったです。

OPとEDはともかく、システム系が多少説明不足。ゼロからのスタ−トでは辛い。

管弦楽器の完成系。見事な出来。Humi氏の真骨頂。DOS版との違いも悪くない。


(上から順に、ゲ−ム、スト−リ−、CG、操作、音楽と各1行づつの評価簡易説明)

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                            『雛鳥の囀』


        メ−カ−         STUDiO B−ROOM

       ジャンル         BRG


              ゲ−ム性     10点

              スト−リ−性   10点

              グラフィック   10点

              操作性       8点

              音楽        8点


                                                       合計    46点


               <評価概要>


多少難易度が高いとはいえ、戦略性等は流石の出来。充分に楽しめる。

栄夢氏の手腕が光っている。ただ、人によってはこの退廃的世界観がどう写るか……

申し分ないが、とうせなら小鳥のように全てを新規で描き下ろしして欲しかった。

OP等は論外。あとは説明不足と取っつきの悪さがどう出るか……ある意味不親切。

新規書き下ろしだが、私的にいえば今一つの出来。DOS版の方が良かったと思う。


(上から順に、ゲ−ム、スト−リ−、CG、操作、音楽と各1行づつの評価簡易説明)


            <評価用プレイ時間参考表>


           1プレイ時間     約08時間00分(小鳥)

                      約10時間00分(雛鳥)

           総プレイ時間     約99時間59分+α(作業を含む)


1プレイでのHシ−ンの割合(時間)      約00時間00分〜00時間50分