Ver 1.01
 
 
 
Nagale's ゲ−ムレビュ−
 
 
 
 
 
 
 
★★★『行殺☆新選組』★★★
 
 
 
 
 
 
 
■■■■■■■  README  ■■■■■■■
 
 
 
はじめに注意事項です。このレビュ−中には、ゲ−ム内容のネタバレなどが含まれている可能性があります。
 
 ゲ−ムをプレイ中、及び未プレイの方は、ゲ−ムを最低一度は攻略(エンディングまで到達) した後で、このレビュ−を読む
 
ことをお薦めします(一応、未プレイの方でも大丈夫なように、ネタバレ的要素は極力排除しているつもりですが……)。
 
 
 
 
@@@@@@@  ネタバレ注意  @@@@@@@
 
 
 
 
 
 
 
●− Review  序章 −●
 
 
 
 
 
「一つ 士道不覚悟、切腹よ〜♪」
 
 
 (……こ、これは……見なかったことにしておこう……っと)
 
 
 ……これはゲ−ムを散策していた4月上旬、NET上で妙に話題になっていたゲ−ムのデモを見たときの率直な感想でした。
 
 そのゲ−ムとは……「行殺☆新選組」
 
 
 これまで、数々のゲ−ムのデモを見てきた私にとっても、このゲ−ムのデモは今までにはない「何か」を私に訴えかけて
 
きました。……っていうか、これは間違いなく馬鹿ゲ−決定?
 
 ……今考えると雰囲気に呑まれただけなのかもしれませんが……。
 
 
 とはいえ、こんな面白いネタ。物書き屋としては見過ごすわけにはいきません。
 
 そしてその後、場の勢いや自分自身のノリも重なって、遂に「買いますよ、行殺」とまで言ってしまったのです。
 
こうなるともう後には引けません(苦笑)。
 
 
 いや、まあ純粋に面白そうだと思ったというのが一番の要因なんですけどね……。
 
 というわけで、後悔することを承知で本作を購入したわけなのですが……閑話休題。
 
 
 
 
 
 
 
●− Review1  全体の印象 −●
 
 
 
 
 
 う〜ん、ちょっと意外……でした。良い意味でも、悪い意味でも……。
 
 ゲ−ム自体はテンポよく進んでいきます。短いながらも楽しめ、予想していたとおり、幾つかの不条理な展開には
 
爆笑させて貰いました。
 
 ところが、意外に……というのも失礼かもしれませんが、内容自体は結構普通なんです。ゲ−ムとして十分楽しめます。
 
 実際、展開によっては非常に味のある展開になったり、純粋にスト−リ−に没頭できたりと、物語としても楽しめた
 
のは嬉しかったですね。う〜ん、一粒で二度美味しい感じ?
 
 
 
 ……ただ、それ以前にバグが酷すぎます(苦笑)。
 
 そもそも箱を開けた瞬間フロッピ−が入っていた時点で思わず笑ってしまいましたよ(苦笑)。
 
 大体ゲ−ムをプレイする前から修正ディスク入れるってのは詐欺じゃん……しかも発売日に……。
 
 
 なんとなく嫌な予感を持ちつつ修正ファイルを入れて起動……ところが、矢張りバグバグで全然駄目。とりあえず手探り
 
も含めてなんとか復旧したものの、この状態ではどうしようもなく、結局修正ファイルが出るまでの数日間、ゲ−ムは
 
あえなく封印されることになった訳です。
 
 っていうか、絶対デバッグしてないでしょ……これ。
 
 
 とまあ、ゲ−ムを始める前から一悶着あったわけですが、以下は総合的な見解を語っていきましょう。
 
 
 
 
 
 
 
●− Review2 ゲ−ム性  −●
 
 
 
 
 
 さてさて、馬鹿ゲ−という認識が強かった本作でしたが……。
 
 
 正直、デモや体験版で感じた馬鹿ゲ−路線とはちょっと違うものでした。勿論笑える部分もたくさんありますが、それ以上に
 
しっかりと締めている箇所も多く、結果として「馬鹿ゲ−ではあるが根は真面目」という公式が成り立っています。
 
ただ、登場キャラを新選(撰)組に当てはめ、更に細かな設定を加えたことによって、何ともいえない独特な面白さが
 
出ていました。実際、新撰組を舞台としたところは良い感じだと思われます。
 
 
 ただ、俺元ネタ知らないし〜(おぃ
 
 ……悲しきかな、新撰組って良く知らないんです、はい(苦笑)。ただ、わからないなりに楽しめたことだけは身を持って
 
断言できますが……。
 
 勿論、不条理リミッタ−崩壊後の唐突すぎる展開や、シナリオの矛盾点など、疑問に思った箇所も多数ありましたが、
 
それ以上に「勢い」が勝っていたこともあり、ゲーム自体は非常に楽しむことが出来ました。
 
 
 また、ゲ−ム画面の演出についても面白い工夫がしてあり、新鮮さがありました。
 
 というのも、このゲ−ム、メイン画面の立ちグラが殆ど無いかわりに各キャラの顔ウィンドウが画面狭しと動き回る演出が
 
取り入れられているのですが……これ、面白いです。
 
 かえってこの方がキャラの動きがダイレクトに伝わってくるので、ドタバタ活劇な様子が伝わってくるかのようでした。
 
演出と言う点ではとても気に入りました。
 
 またそれに関連して、ウィンドウ内における表情の多彩な変化やキャラ発言の際、枠が光るなどの細かい部分もしっかりと
 
作ってあり、画面内での不快感や大きな混乱が無かったところは高評価です。
 
 ちょっとしたことですが、こういう部分は大事ですね。
 
 
 
 
 
 
 
●− Review3 スト−リ− −●
 
 
 
 
 
 さて、良くも悪くも裏切られてしまったスト−リ−でしたが……。
 
 
 事実、予想していたほどの破天荒な展開ではありませんした。笑いの要素を押し出しつつも要所要所は締めていたため、
 
私的にはそれほど壊れてはいなかったという印象です。
 
 シナリオの内容に関しても本線は丁寧に作ってあり、不条理ながらも楽しくプレイ出来ました。
 
 また、展開もテンポよく進んでいくのでお手軽に楽しめます。ちょっとした息抜きにはもってこいの内容です(苦笑)。
 
 
 ただ、馬鹿ゲ−を予想していた立場としてはちょっと裏切られてしまったかな……と。確かにシナリオ自体は堪能させて
 
貰いましたが、もう一歩内容が壊れていればなお良かったです。
 
 ……基本的に話が重いんですよ。笑いよりも重い雰囲気が勝っているシナリオも幾つかあり、逆にこっちが戸惑ってしまう
 
ような展開が多々ありました。まあ、これは最初から妙な偏見が頭の中に入っていたせいもあるのですが……。
 
 
 勿論、笑える要素も大量に詰まっています。というか基本的には馬鹿ゲ−です(苦笑)。
 
 要所要所の台詞に爆笑し、妙に難しいクイズ(もうちょっと伏せ字使おうよ〜)に唸りつつも攻略し、時折出てくる
 
怪しげなキャラやかなり新しい時事ネタに爆笑したり……。ギャグ系のゲ−ムとしても十分に楽しめるだけの内容です。
 
 実際、ギャグとシリアスのかき分けが上手く出来ていたので、この辺りが違和感無くまとまっているのは見事でした。
 
 
 また、私は歴史(新撰組)に疎いので全くわかりませんでしたが、一部史実を交えて構成しているという話なので、
 
知っている人であれば、そういう観点からも楽しめるかと思われます。
 
 ただ、史実を交えて展開するとどうしても路線が変わっていってしまいますが……。
 
 
 とはいえ「新撰組」という名前を使うからには、このように史実を絡めていく方法は正しいと思われます。
 
 他の部分を多少犠牲にしても、この選択は正しかったと思われますね。
 
 
 あ、でも……このゲ−ムで新撰組の知識を得ても多分ほとんどが間違った知識かと……(苦笑)。
 
 
 
 
 
 
 
●− Review4 グラフィック −●
 
 
 
 
 
 さて、CGですが……正直辛いです。個人的に好きな作風ではないので慣れるまでは大変でした。ただ、癖が強いものの、
 
見方によっては魅力的なCGにも見えます。見る人によっては好きな作風になるかもしれません。まあ極端に悪い出来と
 
いう訳ではないので。……勿論私の好みではありませんが(苦笑)。
 
 
 実際、原画については構図の違和感が目立ち、かなり辛いです。ただ、フォロ−という訳ではありませんが、趣のある絵
 
でもあります。不思議とこのゲ−ムの世界観に合っている絵のような気がしてなりません。
 
 
 まあ、彩色に関しては原画に合わせた感じで良かったです。綺麗とは言えませんが……。
 
 
 また、背景の不条理さには思わす唸りました。世界観(時代背景)にそぐわない
 
代物や当て字の嵐。個人的には怪しいマ−クの「バ●オ」や店頭の「(マ●ナムドライ」(まさか、漢字をバラして解読する
 
とは……)など、背景に感じる現代風違和感が満載でした。無駄なセンスの良さが光っていましたね。勿論、良い意味で。
 
 まあ、違和感が多々あったことは事実ですが、全体的に見ると、上手くまとまっていたと言えるでしょう。
 
 
 あ、あと雅楽(音楽)モ−ドでのCGの魅せ方にはちょっと感心。ああいう細かい気配りって良いですね。
 
 
 
 
 
 
 
●− Review5 操作性(システム) −●
 
 
 
 
 
 とりあえずバグは一旦おいといて……のシステムです。
 
 
 基本的な要素は備えているものの、使い勝手は良いとは言えません。セ−ブなどに関しては使いやすかったとはいえ、
 
メッセ−ジの早送りについてはキ−ボ−ドではなくシステム自体でも対応して欲しかった。また、読み返し機能があれば
 
なお良かったと思われます。
 
 
 さて話を戻して、バグについてですが……久しぶりに酷かったですね。ここまでバグバグなゲ−ムも珍しいです。
 
勿論、悪い意味で……。
 
 もう少しデバッグの重要性を意識して欲しいです。特に今回、ゲ−ム以前の問題があった箇所もあり、確認の甘さが
 
際だっています。
 
 ただでさえ最近バグ問題についてピリピリしている時期にこれは不手際かなあ……と。
 
 もう少し、本当にもう少しで良いのでデバッグにかける期間を考えて欲しいです。
 
 
 あ、あと説明書の3/4以上が説明書とは全く関係がない内容で埋められている説明書というのは珍しいですね(笑)。
 
っていうかこの破天荒なカ−ドゲ−ム、プレイできる領域なのだろうか……。
 
 
 
 
 
 
 
●− Review6 音楽 −●
 
 
 
 
 
 さてさて、軽い気持ちで聴いてみた音楽ですが……。
 
 
 とりあえず勢いで10点あげちゃいます(苦笑)。
 
 なんだかよくわからないけど凄く良かったです。マジで。まず、個々の曲レヴェルがかなり高いんですよ。
 
 社交ダンスで使えそうなラテン系の曲や、モロに演歌調な曲までよりどりみどり。特に要所要所のパ−トに和楽器=三味線や
 
尺八を使った演出が見事でした。元々三味線系の音が好きというのもありますが、それを差し引いても、久しぶりに新鮮な
 
感じで音楽を聴くことが出来ました。
 
 これは音楽だけでも一見の価値有りですね。正直、私的にはこれだけで充分満足出来るだけの要素がありました。
 
 
 あ、但しVocalは……ね(苦笑)。まあ、勢い勢い。でも、あれ真面目に歌えば結構良い曲だとおもうんだけど……。
 
 
 
 
 
 
 
●− Review7 総合評価 −●
 
 
 
 
 
 細かいことには多少目をつぶることにして……勢いやその場のノリでプレイしたせいもあり、とても面白かったです。
 
 
 で、結論を。冗談半分で買ってみても面白い、というか馬鹿ゲ−という予想を裏切られても楽しめるだけの要素は持って
 
いました。ただ、絵に癖があるのでその辺で敬遠する人もいるでしょうが。
 
 
 ゲ−ムとしての大筋の流れはギャグ&馬鹿ゲ−路線ながらも、内容は丁寧に作ってあるので、手軽に楽しみたいという人
 
には良いソフトです。人を選ぶゲ−ムだと思われますが、裏を返せば選ばれた人にとっては楽しいゲ−ムと言えますね。
 
 まあ、予算に余裕がある人であれば軽いノリで買ってみても面白いかもしれません。……売っていれば……ですが。
 
 
 ただ、バグ云々や取っつき辛さなどもあり、全体的にちょっと損をしているのが残念ですね。
 
 
 さて、今回はこの辺で筆を置かせて貰います。
 
 それでは、縁があれば次のレビュ−でお会いしましょう(^^)/〜
 
 
 
 
 
2000/05/03 流 雷氷
 
 
 
 
 
Post,Script,
 
純粋な馬鹿ゲ−だと思ってたのに〜(^^;;
 
 
 
 
 
< ゲ−ム動作環境 >
 
 
 
 
 
OS=日本語版Windows95/98/日本語版が動作する環境
 
CPU=Pentium166MHz(推奨MMX-Pentium200MHz)以上
 
メモリ=32MB以上
 
HDD=空き容量350MB以上
 
解像度=640×480:フルカラ−表示が可能であること
 
CD−ROM=倍速以上
 
音源=CD-DA、PCM
 
DirectX=5.0以降
 
 
 
(一部パッケ−ジより抜粋)
 
 
 
 
 
< 補足 >
 
 
 
 
 
原画:八雲剣豪」
 
シナリオ:岩清水 新一、睦月たたら」
 
音楽:九十九百太郎」
 
音声:無し アニメ:無し」
 
価格:8800円」
 
初回特典:無し」
 
年齢制限:18禁」
 
 
(順不同、敬称略)
 
 
 
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 
 
 
 
 
< 評  価 >
 
 
 
『行殺(はぁと)新選組』
 
 
 
メ−カ−   ライアーソフト
 
ジャンル       ADV
 
 
 
ゲ−ム性        8点
 
スト−リ−        9点
 
グラフィック        7点
 
操作性          7点
 
音楽           10点
 
 
 
合計 41点
 
 
 
 
 
<評価概要>
 
 
 
 
 
新撰組という設定を取り込んで昇華させているのは面白い。ゲ−ムとしてもお手軽に楽しめる内容。
 
表面上はギャグ系だが、内面は意外にシリアスな部分もありギャップが面白い。書き分けも上手くできていた。
 
癖がある。構図も甘く万人向けではないが、意外に受ける作風にも見える。あと、背景の描写には苦笑い。
 
使いづらい訳ではないが、もう少し融通を利かせて欲しかった。なお、バグに関しては論外。
 
なんとも言えない雰囲気がある。ゲ−ムの世界観と上手く調和していて好感が持てた。ただ、OPは……。
 
 
(上から順に、ゲ−ム、スト−リ−、CG、操作、音楽と各1行ずつの簡易評価説明)
 
 
 
 
 
<評価用プレイ時間参考表>
 
 
 
 
 
1プレイ時間     約02時間00分
 
総プレイ時間     約10時間00分
 
 
1プレイにおけるHシ−ンの割合(時間) 約00時間05分