Ver 1.00
Nagale's ゲ−ムレビュ−
★★★『ECHO』★★★
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はじめに注意事項です。このレビュ−中には、ゲ−ム内容のネタバレなどが含まれている可能性があります。
ゲ−ムをプレイ中、及び未プレイの方は、ゲ−ムを最低一度は攻略(エンディングまで到達) した後で、このレビュ−を読む
ことをお薦めします(一応、未プレイの方でも大丈夫なように、ネタバレ的要素は極力排除しているつもりですが……)。
@@@@@@@ ネタバレ注意 @@@@@@@
●− Review 序章 −●
>新機軸ヘッドホンノベル。深さタイタニック級!! エコ−
>ヘッドホンノベルは音の演出にこだわったパニックノベルアドベンチャ−です。
え〜と、これは……Nagaleへの挑戦とみなしていいのかな?(苦笑)
……勿論、こんな意味不明な発言をするのにはそれなりの理由があります。
4年前、ゲ−ム評価基準を決めた時点で既に「音楽」という分野があったように、常日頃、ゲ−ム音楽に関しては結構な
こだわりを持っていると自負しているNagale。
事実、MyPCはウ−ファを含めると35W出力が可能なスピ−カ−が接続されています(今はこれで普通程度か(^^; )
実際この環境があった為、今まで数々の名曲をより良い音で聴くことが出来たわけです。
そんなNagaleにとって、今回の広告は見逃すわけには行かない代物でした。
しかもそれが最近のハイペ−スな展開には舌を巻くF&Cの作品と来れば心が動かない訳がありません。
というわけで修羅場中にも関わらず、こっそりと街に出て本作を購入してきたわけですが……閑話休題。
●− Review1 全体の印象 −●
………無駄に長かった、以上(苦笑)。え、これじゃ駄目?
いや、別につまらなかったわけじゃないんですよ。ただプレイしているうちに展開に飽きてしまったのは事実なので……。
というのも、全体的に無駄な説明や行動が多すぎます。内容には一応筋が通っているものの、先が気になる展開と言う
よりはさっさと終わってくれという気持ちの方が強く出てしまい、結果として機械的にゲ−ムを進行しているような感じに
なってしまいました。
更に、肝心の内容も愛憎劇と銘打ってあるだけあり、ドロドロの人間関係が多く、その手のジャンルがあまり好きで
ないNagaleとしては、特定箇所で嫌悪感を抱いてしまったというのが本音です。もっとも愛憎劇が好きな人にはこういう面も
含めて楽しめるのでしょうけど。
ただ、陵辱系や猟奇系のシナリオ以外で強烈な嫌悪感を覚えたのは私自身としてはこれが初めてかもしれません。
まあ、これは別の意味で凄かったと言えるのですが……。
●− Review2 ゲ−ム性 −●
まず、ゲ−ムとしては純粋なノヴェルです。今回はそれに閉鎖空間という要素が加わり、設定としては面白いものが
ありました。実際、この雰囲気をどのような形で楽しませてくれるかは個人的に非常に期待していました。
しかし世界観的に非常に魅力を感じていた割には、いざゲ−ムを進めてみると期待が大きかったせいか、思ったほど
内容を楽しむことが出来ませんでした。
また、ゲ−ムの演出部分も期待していた程の出来ではありませんでした。肝心の地下空間での演出も、あくまで普通の
演出であって、特筆すべき点は無かったです。
良かった点としては、主人公を記憶喪失にしたという設定ですね。物語を多方向に持っていくには良い手法
だったと思われます。記憶を思い出して進めていったり忘れたままで進めていったりと、状況に応じて話が進める点は
なかなか有効的に使用されてました。
……実際問題として、とにかく話がややこしいんですよ。ゲ−ム中、言葉の意味が上手く理解できなくて何度も頭を捻った
場面が多すぎました。
本作は全体的に無理に話を難しくしている気がしますね……そう、まるで私のレビュ−みたい
な感じです(爆)。もう少し文章を簡潔にした方が読みやすさという面からも良かったと思われます。
追記として、ゲ−ムの難易度は若干難しい程度ですが、トゥル−エンドを見るためには相当な労力が必要になることは
間違いありません。
●− Review3 スト−リ− −●
さて、ノヴェルの華、スト−リ−についてです。
内容としては理不尽ながらもそれなりに楽しめました。物語に上手く入ることが出来れば、しっかりと楽しめることは
間違いありません。恋愛の修羅場(笑)や人生ドラマ、意表をつく展開など、魅せる部分はしっかりと魅せて貰いました。
しかしこのゲ−ム、恋愛系としてはひとつ大きな足枷があります。それは主人公の恋人=婚約者の存在です。
事実私は、主人公に婚約者がいる状況では、どうしても他の娘を攻略する気が起きませんでした。……いや、こういう
性分なので(苦笑)。
その為、章によってはスト−リ−自体が苦痛でしかありませんでした。
本来なら良いシナリオな部分も、こういう面では私的評価を相当下げてしまいましたね……。
あと、各章ごとに完結する方式を取ったことについては「別にそこまでしなくても……」という疑問は残るものの、
個々のシナリオをより掘り下げていく為ということで妥協しました。実際、章を区切ったことによるそれなりの効果は
見受けられましたし。
ただ、区切るのであればもう少し気を使って欲しかったです。特に2〜3章の出だしの部分などは、テキストの重複部分が
多いために混乱することがあったので……。
スト−リ−本線に関しては、とにかく回りくどい文章です。……その割に意味が理解できないし(苦笑)。そう、まるで
私のレビュ−みたいな(以下略)。
実際、結論の出ないような会話を延々聞かされると飽きてきます。というか、今回凄いキャラがいまして……。押し問答が
幾つか展開されるのですが、とにかく腹が立って来るんですよ(爆)。マジで。
また、ゲ−ム中の修羅場部分があまりにも凄惨で嫌になりました。リアルというか……本当に嫌になって
くるんですよ。……「もうやめてくれ」みたいな場面がガンガン続いたんで参ってしまいました。個人的にこういうハ−ドな
修羅場モノは苦手なので(苦笑)。
ただ、どういうことであれプレイしていて「凄惨」と感じた時点で、物語の中に
しっかりと溶け込んでいたのでしょう。
そう考えると、スト−リ−やキャラに対する感情移入はしっかりと出来ていたと言えますね。
●− Review4 グラフィック −●
グラフィックに関しては原画、彩色共にいい感じでした。特にフルCGに関しては質感が出ていて非常に良かったです。
勿論、背景CGに関しても同様の評価を出すことが出来ます。
原画人は「畑まさし」さん。VC3の際に絵を拝見したのが初めてですが、個人的に好きなタイプの絵なので、不安
要素は全く無かったです。
しかし前述の通り、一部のキャラに対して極端な嫌悪感を抱いてしまった(愛着が沸かなかった)ために、折角の綺麗な
CGが冴えなかったのは残念でした。……そもそも今回好きになったキャラってあんまりいないんだよなあ……。
あと、立ちグラCGの構図……顔の部分には違和感を感じました。……特に弥生サン(苦笑)。
また、一部のシ−ンで使われていたアニメ−ションに関しては、要求されている環境を差し引けば、かなりクオリティが
高い方だと思われます。
もっとも、その動画に関してはCPUを替える前にかなり酷い目に遭いましたけど……(苦笑)。
●− Review5 操作性(システム) −●
さて、色々とあった(苦笑)システム面については……。
ゲ−ム開始当初、あまりの重さに耐えられず、思わずCPUを交換する羽目になったものの、交換した後はそこそこの
速度で動作してくれたのでとりあえずひと安心でした。
が、しかしそれを差し引いても重かったと感じたのは気のせいでしょうか?
ノヴェルとしての実用に耐えられるにはもう少し処理を軽くして欲しかったところです。
矢張り今回一番のネックだったのは「ゲ−ムの重さ」でしょう。これでもかというぐらい動作が重いのには流石に愛想が
尽きました。くどいようですが、NOVというシステムでどうやったらここまで動作を重く出来るんでしょうか?
……せめてもう少し、環境に優しいシステムを作って欲しいです(苦笑)。というか、これに関連して、2回目以降
必須となるメッセ−ジスキップも重すぎで、繰り返しプレイする気力が失せてしまいました(苦笑)。
また、セ−ブに関しては酷すぎます。というか、セ−ブポイントの限定は辛すぎです……。選択肢の手前でセ−ブ
できるのはいいとして、選択肢と選択肢の間隔が2時間近くあった箇所もあり、かなり
ダレました。
……テキスト表示に関しても、一文が妙に長い箇所(主に台詞関係)ではテキストが画面中に隙間無く埋まり、非常に
読みづらかったですね。熱演されている声優さんには申し訳ないのですが……。
ただ、今回ひとつ感心したのが誤字脱字の少なさです。これだけの長い文章で誤字脱字が殆ど見あたらなかったのは正直
驚きました。余計な部分で冷めることなくスト−リ−に集中出来たのは嬉しかったです。……泥沼な内容はともかく(苦笑)。
●− Review6 音楽 −●
さて、音の演出にこだわったというだけのことはあったのでしょうか……。音楽です。
結論から言えば、普通でした。BGMに関しては良い雰囲気が出ていたものの、ウリでもあった音響効果に
ついては、別に普通の効果音となんら変わりが無い感じでした。
勿論、盛り上がる場所は盛り上がるようになっていました。しかしそれはあくまで盛り上がる場所。効果音で盛り上げ
るのは当たり前のことです。
もし、音響にこだわるのであれば、何もないような場所でこそ、恐怖や緊張感を維持させる演出をして欲しかったですね。
実際、中だるみが出来てしまった箇所が多く見られたので……。
また今回WMAサウンドという珍しい音源がありましたが、WMAに関しては、元が元なのか、とりたてて秀でたものは
無かったです。個人的にはMIDIの方が迫力が出ていて良かったです。
というか、WMAサウンドにすると重いゲ−ムが更に重くなるし(苦笑)。
あと、C.V.については以外に良かったです。OPのクオリティでは今後どうなるかと危惧したものの、本編の方では特に
違和感もなく、各キャラともしっかりとした演技を魅せてくれました。
あと、ひとつ以外だったのが一人二役の演技ですね。全然別人だと思っていただけに、ちょっとびっくりしました。
そうそう……本作はヘッドホンでのプレイを推奨とのことでしたが、Nagaleは立場上付けることが困難な状況なので、
ヘッドホンを付けずにウ−ファを効かせてBGMを聞いていたことを付け加えておきます。
●− Review7 総合評価 −●
NOVとしては充分な出来でしょう。ただ、私は一度クリアした時点で飽きてしまいました。
多分2〜3回と回数を重ねるとまた違う面白さが見えてくる筈ですが、それ以前に繰り返すのが嫌になるほど、回りくどい
説明や特定キャラに強烈な嫌悪感を抱いてしまったので……。
もっとも、全体的に動作が重く、進めるのに時間がかかったせいもあるとは思いますが……。
で、結論。ノヴェルゲ−ムが好きで、ちょっとドロドロした話が好きな人や、だらだらとした文章に嫌気が来ない人は
買ってみてもいいと思われます。しかし、純愛系をメインで進めたい人や、回りくどい展開が嫌いな人、パソコン環境の
低いにはちょっとお勧め出来ないと思われます。
あ、ちなみに初回プレイではHシ−ンは殆どないのでその辺も参考に(^^;
まあ、発売日に買った割にはレビュ−作成がここまで延びてしまったというのが、全てを物語っていますが(苦笑)。
それでは、今回はこの辺で失礼します。
機会があれば次のレビュ−でお会いしましょう(^^)/〜
2000/04/05 流 雷氷
Post,Script,
クラウベン……妙に連想できるキャラがいるんだよなあ(^^;;
< ゲ−ム動作環境 >
OS=日本語版Windows95/98/NT4.0(各OSとも若干の条件有り)日本語版が動作する環境
CPU=Pentium166MHz(推奨Pentium200MHz)以上
メモリ=32MB(推奨64MB)以上
HDD=空き容量450MB(推奨1.5GB)以上
解像度=640×480:ハイカラ−表示(推奨フルカラ−)が可能であること
CD−ROM=4倍速(推奨8倍速)以上
音源=MIDI、PCM、WMA
DirectX=3以降
(一部パッケ−ジより抜粋)
< 補足 >
「原画:畑まさし」
「シナリオ:ヌマモト マサトシ」
「音楽:DOORS」
「音声:有り(Full) アニメ:有り(一部)」
「価格:7800円」
「初回特典:無し」
「年齢制限:18禁」
(順不同、敬称略)
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< 評 価 >
『ECHO(エコ−)』
メ−カ− フェアリ−テ−ル・ハ−ドカバ−(F&C)
ジャンル NOV
ゲ−ム性 8点
スト−リ−性 8点
グラフィック 9点
操作性 8点
音楽 8点
合計 41点
<評価概要>
NOVとしては平均点。ボリュ−ムはそこそこなので読み応えはある。ただ、無意味にだらだらと長い。
設定などは悪くない。しかし展開が回りくどすぎる感を受けた。また各章完結な魅せ方は面白い試み。
顔の構図に違和感を感じたものの、それ以外は非常に綺麗なCGだった。一部アニメも及第点以上。
全体的に重いが使いやすい。ただセ−ブポイントの間隔はもう少し狭くして欲しかった。
悪くはない、しかしただそれだけでもある。音の演出に関しては特に秀でたところは感じられなかった。
(上から順に、ゲ−ム、スト−リ−、CG、操作、音楽と各1行ずつの簡易評価説明)
<評価用プレイ時間参考表>
1プレイ時間 約12時間00分
総プレイ時間 約15時間00分
1プレイにおけるHシ−ンの割合(時間) 約00時間10分