Ver 1.02
Nagale’s ゲ−ムレビュ−
★★★『こみっくパ−ティ−』★★★
■■■■■ 始めに……注意事項 ■■■■■
このレビュ−には、ゲ−ム中のネタバレ等が多数含まれています(極力抑えてはいま
すが)。ゲ−ムをプレイ中及び未プレイの方は、ゲ−ムを完全に攻略した後(最低一度
は終了した後)に読むことをお薦めします。
かしこ(笑)
@@@@@@@ ネタバレ注意 @@@@@@@
Nagale>『誰が何と言おうとねえ……違和感バリバリ、マジで』
友人A>「Nagale、そこまで言ってるのに何で買うんだよ?」
Nagale>『ふっ、愚問だな、まいふれんど(冗談)。俺はLeafのファンだ。どんな作品が出ようともLeaf
ブランドのソフトは買う。ま、ついでにこれをネタにレビュ−を書いて...』
こみっくパ−ティ−(以下こみパ)の発売日も近づいたある日のこと。Nagaleは友達と電話で話しつつ、頭の中では
こみパについての結論の出ない考察をしていました。
一応の納得はしていても、心の内はやっぱり複雑でした。こみパが発売されるまでの経緯……。みつみ女史を筆頭と
する移籍騒動やこみパに対する様々な評価、苦言……それらをLeafBBSで黙って静観していた私にとっては、
なんともいいがたい日々でした。そんな中、とある会話でなんとなく語ったひとこと………
『この愚痴がいい意味で裏切られたい』
「やっぱりLeafの作品じゃないか、心配して損したなあ……」と言える作品を出して欲しい。これが、こみパ
発売前の私の率直な気持ちでした。
さて、ここまで世間を騒がせたこみパ。果たしてその結末や如何に……閑話休題。
その1.全体印象
まあ、率直な感想としては上記通りでした。矢張りというか……いつもながら余計な心配事でした。Leafは
いつも私をいい意味で裏切ってくれますね。そして、今なら純粋な気持ちで「こみパは面白かった」と
断言できます。
シナリオのレヴェルの高さ、綺麗なCG、Leafならではの音楽。どれをとっても一流の出来でした。ひとつの
恋愛ゲ−ムとして、非常に完成度の高いものとなっています。
正直、Leafの作品? と言われると悩むところもありますが、それは東京開発室作成のゲ−ムということで納得
しました。
確かにゲ−ムは、メ−カ−という枠の中で制作、発売されています。しかし、作っているのはあくまでも個人(団体)
です。事実、○ク○ルのゲ−ムみたいだ、と言うぶんにも間違ってはいません(しょうがないですよ、だって元カ○テ○
所属の人が作っているんですからね)。
しかし、ゲ−ムの雰囲気はあくまで個人の作風です。結果的にはメ−カ−の「色」という形になってしまいますが、
実際のところは、メ−カ−に固執する必要はない、ということが理解できればと私は考えています。
もっとも、これはある意味私にそっくりそのまま返したい言葉ですが(苦笑)。
その2.ゲ−ム性
さて、まずはゲ−ム全体についての感想です。
同人誌作成……というものをゲ−ムにすること自体、どのようなものになるのかは、非常に興味がありました。
感想としては、これほど単純なものではないにしろ、同人誌を作ることの楽しさが上手くデフォルメされているという
印象ですね。(まあ、実際同人誌を作ったことがないので、本当のところは不明ですが(苦笑))作業の辛いところを
修羅場モ−ドだけ(厳密に言えばペンが進まないというスランプはある)にするというのも、正しい方法ですね。
ネタを考える等のステ−タスを極力削除し、あくまで原稿を描くことだけにこだわった点は非常に好感が持てました。
ゲ−ムという枠の中で、原稿を描くうえでの必要不可欠な点が上手くまとまっています。
そして、こみパ(コミケ)の雰囲気。瑞希の正直な第一印象を始めとして、独特な世界がしっかりと
表現されています。コミケに行ったことのある私には、思わず笑ってしまうようなネタも沢山ありました(特に、
『いま入場したばかりだろう?』「入るまでに3時間以上かかった〜」(瑞希の台詞))という台詞は泣けました(^^;;
その3.スト−リ−性
次に、Leafの18番。シナリオです。
総合的な評価としては、各シナリオとも綺麗に上手くまとまっているといえます。シナリオの長さや難易度は別として、
極端な完成度の差は無かったです。私的には詠美と瑞希のシナリオが頭一つ上で、後は横一線といったところかな……。
ただ、全体的に殆どの女の子のシナリオの展開(喧嘩イベントなど)が似ている気がしました。特に、ある程度親しく
なってからの迂曲左折があるところなどは似たようなパタ−ンが多く、違和感がありました。ただこれは、イベントが
月一で行われるこみパに集中しているという面では仕方がないのかもしれません。
あと、もうひとつ。Hシ−ンでいきなりSの気が出る主人公……。普通にやってくれい!
頼むから……。こんなところでLeaf伝統のテキスト形式を持ってくることもないのになあ……。
そして、こみパで今回一番気になった点……それはエンディング後の余韻です。私はシナリオの完成度と
いう面では、起承転結の「結」、終わりの部分が一番大事だと思っています。ところが、こみパは後日談(ハッピ−
エンド)に思いっきり納得がいかなかった展開が多かったです。しかもその後いきなりタイトルに戻るかなあ?
タイトルに戻ってこみパの曲が流れてくると、今までの余韻が一気に消えます。これだけは納得が
いかなかったです。
正直、ちょっとしたこと……シ−ンのフェ−ドアウト程度でも良かったんです。たったそれだけのことで印象がかなり
変わったはずなのに……シナリオの魅せ方や展開があれだけいい出来なのに……勿体ないなあ。
それとゲスト原稿の存在についても疑問が残ります。確かに、色々な作家に原稿を依頼できるという展開は、同人の
世界でもよくあることです。今回は、実名の作家さんの名前がそのまま載っているということもあり、ある意味で現実味
のあるものでした。まして、私的に非常に好きな作家さんの名前が多かったのも嬉し
かったです。いくらゲ−ムの中の出来事とはいえ、その人に原稿を頼めるわけですから。
ところが、結局はただそれだけなんです。確かに、それだけでも充分嬉しいです。けれど、その原稿が届いたらそれで
終わり。原稿のイラストが見られるわけでもなく、特に販売部数にも違いがないように見受けられます。しかも自分の
ノルマペ−ジ数も減るわけでもないし……。一枚絵程度でもいいからそれぞれの作家さんのイラストを見られるように
して欲しかったですね。
あと、余談ですが、九品仏クンがいい味を出していました。特にあさひちゃんのシナリオでの彼はカッコ良かったです。
日頃の行動はともかくとして、今回のキ−ポイントになったことは事実です。こみパの世界観を語る上で、必要不可欠な
キャラクタ−でしょう。
その4.グラフィック
さて、これがメインの人も多いでしょう。CGです。
原画は未だに渦中の人だけあって流石に綺麗です。言うことはありません。
彩色もやっぱり渦中の人だから綺麗です。但し、彩色については久しぶりに256色の可能性を見せつけられました。
凄いですね、あれは。下手なフルカラ−よりも数段綺麗です。やっぱり業界トップクラスの人が揃うと凄いものがあります、
ホントに。
ただ、それとは別にひとつ違和感がありました。それはCGに付いているタイトル。……私的には楽しめました。
私だってギャグの分からない人間ではありません。ただ、スト−リ−を回想するときに、女の子の心情と
あまりにも合っていないタイトルが多いと言われれば否定は出来ないと思います。
そのシ−ン(CG)における女の子達の気持ちに反している感は拭えません。面白いことは面白いんだけどなあ……。
ちなみに、私のお気に入りCGは瑞希嬢の「君を全部抱きしめて」と、あさひ嬢の「クリスマス、公園にて…」かな。
ん〜どっちも雰囲気似てますね(爆)。いいんです、Nagaleはこういう作風が好きなんですから(苦笑)。
後もうひとつ、変なツッコミですが、Hシ−ンには男優が欲しかった(爆)。これは原画人の意向だからしょうが
ないんだろうけど……。
その5.操作性
う〜んと、次はシステム……かな。
さっきも述べたように、同人誌を作成するという分野については申しぶんなかったです。ただ、それ以前の問題……
ゲ−ムインスト−ル時の説明不足や、今回大きく取り上げられてしまったゲ−ム中のバグについては、勿体なかったなあ。
とりあえず、私のところはCGモ−ド以外ではバグは発生しませんでしたが、人によっては音楽無しでプレイする
羽目になった方もいたということで……。なんとも……。
その6.音楽
そして、Leafもうひとつの18番(笑)、音楽です。
言うまでもありません。流石はLeafです。ファンだから甘く採点……といわれようと何だろうが、やっぱり音楽は
最高! ……実は、全体的に見るとパワ−ダウンしている気がしないでもないのですが……。
しかし、ひとつひとつの曲の出来は非常に高いです。お気に入りは「避け得ない悲劇」ですね。なんか
「痕」の雰囲気がバリバリ入っているような気がしないでもないです
が(笑)、まあいいんじゃないですか(^^;
総 評
こみパは、間違いなく「買い」です。Leafのファンも、原画人のファンも、純粋にゲ−ムを楽しみたい方
にもお薦めできます。確かに同人誌のディ−プな世界といわれればそれまでですが、恐いもの見たさで手を出しても
いいんじゃないでしょうか?
最後に、私自身に向けて……。「同人誌作成」という時点でLeafのゲ−ム。それだけは理解できます。これからの
Leaf東京開発室に期待しましょう……。
1999/06/09 流 雷氷【委員長】
Post,Script,
絶対にコミケでこんなドラマは無い(笑)。
<ゲ−ム動作環境>
OS=Windows95/98日本語版が動作する環境。
CPU=Pentium100MHz以上(推奨166MHz以上)
解像度=640×480:256色表示が可能であること。
メモリ=32MB以上(推奨64MB以上)
HDD=空き容量120MB以上(推奨650MB以上)
「補足」
「原画=甘露樹、みつみ美里」 「シナリオ=三宅章介、む〜む〜、鷲見努」
「音楽=石川真也、下川直哉、中上和英、松岡純也、米村高広」
「音声=一部有り アニメ=一部有り」 「価格 8800円」
「初回特典=オフィシャルブック(なお、会員通販はマウスパット付)」
「CD2枚組」 「18禁」
(敬称略)
< 評 価 >
「こみっくパ−ティ−」
メ−カ− Leaf
ジャンル SLG
ゲ−ム性 10点
スト−リ−性 9点
グラフィック 10点
操作性 9点
音楽 10点
合計 48点
<評価概要>
同人誌を作ることの面白さなど、中毒性は高い。難易度が微妙に高いのが鍵か。
シナリオはどれも良い……が、最後の終わり方があまりにもお粗末。余韻が消える。
原画の完成度は流石。それに見合った彩色。256色の限界、いい仕事です。
インスト−ル時に戸惑った以外は特に問題なく快適だった。バグについては保留。
無条件で満点。言うまでもなく最高。これがなければLeafじゃないし(笑)。
(上から順に、ゲ−ム、スト−リ−、CG、操作、音楽と各1行づつの評価簡易説明)
<評価用プレイ時間参考表>
1プレイ時間 約06時間30分
総プレイ時間 約39時間00分
1プレイでのHシ−ンの割合(時間) 約00時間00分〜00時間05分